ビットコイン「実質支配していた人たち」の正体 「少数支配の実態」が科学研究で明らかに

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シカゴ大学の経済学者エリック・ブディッシュは「ブラックバーンたちは、ビットコインの初期の採掘と利用がごく少数の人々に集中していたことを解明した。これは科学的な発見だ」と評価する。

自らも同分野を研究するブディッシュは、論文の発表を控えたブラックバーンらから研究結果について2時間の動画説明を受けた。研究内容を把握した瞬間、ブディッシュはこう思ったという。「刑事の仕事みたいでクールだ」。ブディッシュは、論文の題名を初期のキープレーヤーにちなんで「ザ・ビットコイン64」にしてはどうかと提案した。

ブロックチェーンの「脆弱性」

論文をいち早く読んだコンピューターサイエンティストのジャロン・ラニアーは、ブロックチェーンからの情報漏洩が証明されたことで、一部の人々は衝撃を受けるだろうと指摘した。「ブロックチェーンは完全な機密を保つものではない」。ラニアーは「この研究にはまだ続きがあると考えている。さらに新たな調査手法が開発されて、こうしたシステムからもっと情報が引き出せるようになるだろう」と話した。

ブラックバーンが用いた戦略の1つは、「忍耐」という単純なものだった。「壊れるまで蹴り続けた」と、彼女は主任研究員に言われた言葉を使って、自身の研究手法を説明した。その主任研究者とは、ベイラー医科大学とライス大学の応用数学者であり、コンピューターサイエンティストであり、遺伝学者でもあるエレズ・リーバーマン・エイデンだ。

もう少し具体的に言うと、ブラックバーンはビットコインの立ち上げからビットコインの価値が米ドルと並んだ2011年2月までを標的とするハッキング手法を開発した。同時期には、ビットコインをベースとする闇サイト「シルクロード」も立ち上がっていた。

ブラックバーンがとくに注目したのが採掘者だ。採掘者とは、高度な計算競争に参加することで取引を承認するエージェントを指す。これらエージェントは、ラッキーナンバーを探し当てる一種のパズルゲームに参加し、ゲームに勝利すると、ビットコインを獲得できる仕組みとなっている。

キーとなる採掘者が64人だったという数字を見て、少ないと感じるか、多いと感じるかは、その人が仮想通貨の「底流」にどれだけ通じているかによって変わる。

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