ビットコイン「実質支配していた人たち」の正体 「少数支配の実態」が科学研究で明らかに

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ブラックバーンによると、研究はビットコインの利点や欠点とは関係なく、その匿名性のベールに穴を開けることを狙いにしているという。ビットコインが誕生したその日からの取引を追跡することで、世界最大の仮想通貨経済圏がいかにしてできあがったのかを明らかにしようとしているのである。

サトシ・ナカモトは、ビットコインの匿名性を売りにした。ユーザーは、偽名、つまりアドレスを利用してビットコインの取引(売買、送金、受け取りなど)を行う。アルファベットと数字の羅列によって、自らの正体を隠す仕組みだ。

64人の主要メンバーが立ち上げた

ウィキリークスが2011年にビットコインで寄付を受け取ると発表したように、匿名性確保のシステムはどうやら信用されていた。しかし、データが漏洩していたことが研究によって次第に暴かれ、ビットコインの匿名性は実はそれほど盤石ではなかったことが明らかになってきた。

「データが少しずつ漏れ出し、かつては突破不能とされたブロックが侵食されたことにより、社会経済学的データの新しい地形が浮き彫りになってきた」と、ブラックバーンの研究チームは新しい論文で報告している(論文は、まだ査読付きのジャーナルでは発表されていない)。

ブラックバーンは、複数の漏洩情報を統合することで、大量に存在したビットコインアドレスが実は少数のマイナー(採掘者)のものにすぎなかったことを明らかにした。

彼女が導き出した結論とは、64人の主要プレーヤーがビットコイン立ち上げからの2年間に存在したビットコインのほとんどをマイニング(採掘)していたというものだ。この64人には、ブラックバーンら研究者がビットコイン・コミュニティーの「ファウンダーズ(発起人ら)」と呼ぶ人々が含まれている。

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