仕事が「1人に集中」する職場が陥る最悪の結末 仕事が振られない人にもストレスがのし掛かる

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自分にばかり仕事が回ってくる……しかし、1人でこなせる仕事の量には限界があります(写真:takeuchi masato/PIXTA)
いつも周りより忙しく働いているのに、自分にばかり仕事が回ってくる――そう感じる人は、きっと仕事が速く、丁寧にこなせるスキルを持っています。しかし、1人でこなせる仕事の量には限界があります。頑張りすぎて疲れてしまうあなたに、人間心理から組織戦略をアプローチする経営コンサルタントの松岡保昌さんが、業務の割り振りや共有方法について紹介します。
※本稿は、『こうして社員は、やる気を失っていく』の一部を抜粋し、再編集しています。

「ひとりで頑張る」にはいずれ限界がくる

「仕事ができる人」のもとに仕事が集まる。それはよくあることです。しかし、それがあまりにも極端な職場では、その不均衡が職場全体のモチベーションを下げる結果になりかねません。

ある部署では、5人いるメンバーのうち、1人だけが多忙を極めていました。連日、深夜までの残業をして、休日も自宅に仕事を持ち帰っている様子。最初の頃は、周囲も「手伝おうか」と声をかけていたものの、その人の専門領域だったことと、仕事そのものにやりがいを感じていた本人が、なかなか仕事を割り振ることができず、結局、周囲もしだいに声をかけなくなりました。

しかし、そんな状況が数カ月続くと、本人も「なんで自分ばかりがやっているのか……」と被害者意識が芽生えてきます。周囲は周囲で「どうせ、私たちにはあまり期待もされていないし……」と、職場の雰囲気がギスギスしはじめてしまった。

仕事に対する責任感が強く、多少のことは気力で乗り切ろうとする我慢強いタイプの人が陥りやすいのが、先にあげたような「自分ひとりで頑張ってしまう」ケースです。しかし、組織全体からすれば、それは決して歓迎すべきことではありません。

上司は、そのような不均衡が起こりそうになったら、その人の下にメンバーをつけたり、外部の専門家に支援を求めて外注できる仕組みなどを同時につくったりする必要があります。また、新しいことを行うのであれば、形式的な業務や優先順位の低い仕事などは、あえて止めてしまう決断もしましょう。そうしなければ、全員が疲弊してしまいます。

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