LINEだけじゃない!踊る「チャットアプリ」 「つながり過ぎない」のが心地いい

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「BFF」編集長のサマー・アン・バートン (写真:Joshua Bright for The New York Times)

パブリッシャーやゲーム会社、eコマース(電子商取引)企業の中には、メッセージングアプリを新たな流通と事業のプラットフォームとして利用しているところもある。アプリの開発者はアプリの用途を拡大し、新しい機能を実現している。そして、投資家はメッセージングアプリに大きな潜在力を見いだし、これまでにないほどの評価額をつけている。

ユニオン・スクエア・ベンチャーズのマネジング・パートナー、フレッド・ウィルソンは言う。「アプリのランキングのトップに、毎日毎日、毎月毎月存在し続けるのはメッセージアプリだ。それを見ると、みんながスマートフォンで何をしているかがわかる」。ウィルソンは若者に人気のあるメッセージングアプリ「キック(Kik)」にも投資をしている。

「メッセージングアプリが、本格的にモバイルコンテンツやコマースの『ポータル』的な存在になったら、いかに大きなチャンスがあるかがわかるはずだ」と、ウィルソンは話す。

決済サービスやメディアとの融合も

いまのところ、メッセージングアプリの魅力はシンプルなものだ。電子メールよりスピードが速いし、AT&Tやベライゾンなどの通信会社を使うよりも、文字やリンク、動画や画像を安価に送れる。

しかし、その用途は拡大している。たとえば、「カカオトーク」というアプリでは、ユーザーは新しいスマートフォン向けアプリを見つけて、それを友人に知らせることができる。スナップチャットでは、アプリ内でユーザーが送金し合える。そして、日本で人気のあるメッセージングアプリの「LINE(ライン)」では、決済サービスの「LINE Pay」を使えば、実店舗で支払いを行うこともできる。

事情をよく知る関係者たちが語ったところによると、スナップチャットが新しく設けたページで、ESPN(米国のスポーツチャンネル)やCNNなどのメディアが、間もなくオリジナルのコンテンツを公開するという。

バズフィードCEOのジョナ・ペレッティは、「メディアとコミュニケーションは融合しつつある」と言う。「われわれがいま創造しているコンテンツの一部は、今後1~2年のうちにメッセージングアプリで大きな部分を占めるようになるだろう」。

調査会社のコムスコアによると、現在米国内ではモバイル利用者の40%が、少なくとも月に1度はインスタントメッセージのアプリを利用しているという。世界全体では、2014年1年間でモバイル用メッセージングアプリの利用は103%増加したと、モバイル関連分析会社のフルーリーが発表した。

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