メールが劇的に伝わりやすくなる3つのポイント 一文に要素を詰め込みすぎていませんか?

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 〈改善例 3-3〉応援部は野球部など他部との日程調整が必要だ。また、対戦相手となる他大学との応援の打ち合わせなども頻繁にある。

いかがですか? 野球部との日程調整や他校との打ち合わせなど、具体的な内容を加えました。そして最後は、

私はこうした部の運営にも力を注いだ。

という風にします。具体的な話を受けて、これが「私の役割だった」という形で締めくくります。

以上を踏まえて書き直したものが、<改善例3−4>です。

<改善例3-4>
 大学時代は応援部の吹奏楽に所属していた。吹奏楽のクオリティーを高めるために、仲間とのコミュニケーションを第一に考えた。応援部は野球部など他部との日程調整が必要だ。また、対戦相手となる他大学との応援の打ち合わせなども頻繁にある。私はこうした部の運営にも力を注いだ。

いかがですか? <例文3>の修正は、少しみなさんの想像力を助けにしなくてはならなかったので、難しかった以下のポイントを再度確認して、文章の組み立て方を理解していただければ、と思います。

■ポイント
・1つの文は、1つの要素で書く。
・要素が増えたら、文を分ける。
・具体的な要素を加える。

伝わる文章は相手の負担も減らす

リモートワークをしていて、あなたの発信に対して反応がなかったり、趣旨とは違う返信がきたりしたら、自らの文章を再度確認してみてください。独りよがりな文章になっていませんか? 第三者に伝わる過不足のない文章になっていますか?

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相手が同僚などであれば「どういうこと?」と、気軽に確認できるかもしれません。しかしこれが相手が取引先だと、仕事が滞る場合も出てきます。 理解のできない文章は、相手の大切な時間を奪ってしまうことにもなるのです。それだけではなく、お互いの信頼関係が揺らぐ場合もあります。それはビジネスにとって大きな損失になります。ストレスのかからない文章は、相手への思いやり、ビジネスマナーでもあります。

「主語と述語をかみ合わせる」「同じ言葉の繰り返しを避ける」「1つの文には1つの要素」など、今回ご紹介したポイントは、文章を書く際にすぐにでも役立つものです。円滑な文章コミュニケーションに役立てください。

前田 安正 未來交創代表、文筆家、文章コンサルタント

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まえだ やすまさ / Yasumasa Maeda

早稲田大学卒業、事業構想大学院大学修了。大学卒業後、朝日新聞社入社。朝日新聞元校閲センター長・元用語幹事などを歴任。ことばや漢字に関するコラム・エッセイを十数年執筆していた。著書は 10万部を突破した『マジ文章書けないんだけど』(大和書房)など多数、累計約30万部。2019年2月に文章コンサルティングファーム 未來交創株式会社を設立。「情報としてのことばを伝える」をテーマに、企業・自治体で広報文の研修・文章コンサルティングなどを展開。文章コンサルタント養成講座「マジ文アカデミー」も開催。

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