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今、為替を円安へと突き動かしているものは何か

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  • 唐鎌 大輔 みずほ銀行 チーフマーケット・エコノミスト
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しかし、4月以降は巷間指摘されやすい「ドル高の裏返し」としての円安も顔を出し始めており、ドルと円の名目実効相場が対称的に動いた。

5月は逆に名目実効ベースでドル安が進む一方、円高が進んだ。これもFRB(連邦準備制度理事会)の正常化プロセスがアメリカの景気を悪化させるオーバーキルの懸念へ直結し、株価が調整する中でアメリカの金利が低下したことと平仄が合う。

6月に入ってからの円の名目実効相場は現時点で未公表だが、やはりアメリカの金利上昇に連れて円が売られている印象が強い。

いわゆる「FRBが利上げするから日米金利差が拡大して円売り・ドル買いが進んでいる」という一般的な解説に合う実態がようやく見られ始めたのは4月以降であり、足元は需給を越えて金利が説明力を持ち始めているように見える。

日本より政策金利が低いのはユーロ圏とスイスぐらい

こうした金利が説明力を持つ地合いになると、円売りは一段と勢いづく可能性がある。日米金利差ばかりに注目が集まるが、政策金利が離陸し始めているのはアメリカだけではない。

日本より政策金利が低い主要国はユーロ圏(マイナス0.50%)とスイス(マイナス0.75%)くらいだが、ECB(欧州中央銀行)は2022年9月末をメドにマイナス金利を脱却することを宣言している。

先進国の中では唯一、低金利と通貨安の必要性を公言してきたスイス国立銀行(SNB)も、ここにきて「インフレ率が0~2%の範囲に収まらない場合、躊躇なく政策を引き締める」との高官発言が報じられはじめた。

6月2日に公表されたスイスの5月消費者物価指数(CPI)は前年比2.9%上昇と2008年9月以来、約14年ぶりの伸びを記録している。このままいけばSNBがECBの後を追う可能性は高いと言える。

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