東大生明言「紙の手帳使うと学力が劇的向上」の訳 数字で具体的に目標を決めて行動を可視化する

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いかがでしたか。手帳を、未来の予定のために使うのではなく、過去にやったことを確認するために使うということですね。

東大生の多くは、手帳に「こんな勉強をする」という予定をしっかりと書き、それが実際に守れたのか、うまくいかなかったのであればどうしてできなかったのかを書く、ということを実践しています。

そして漫画でも触れられているとおり、これはあとから自信になります。僕も経験があるのですが、紙でのアナログな厚みとして「これだけやった」というのは後から振り返って効果があります。逆にスマホで書いてしまうと、「これだけやった」というのがあまり実感としてわいてきません。だから東大生はスマホではなく紙で手帳を作っているのです。

手帳を使う意義というのは、僕は「可視化」ができる点にあると思っています。例えば学生に対して「昨日なんの勉強をした?」と聞くと、たいていの場合「数学をやった」「英単語をやった」と一言返ってきます。ですが、そこでもう一歩踏み込んで「具体的にどんな勉強をどれくらいしたの?」「どんな目標があって、どれくらい終わったの?」と聞くと、なかなか答えられないんですよね。

「あの問題集をやったけど」「単語帳を少し見た」というように、具体性が少し乏しい状態になってしまっていることが多いのです。

そしてそれだとやはり、勉強がうまくいかないのです。

具体的な目標を定めると勉強の効率が変わる

例えば数学を勉強するときに、「数学をちょっとやろう」という目標と、「この問題集をこれくらいやろう」という目標だと、絶対に勉強の効率が変わってきます。

前者は、やることが具体的でないので、どうすれば目標を達成できるのか、何をすれば終わりなのかがよくわかりません。1ページしかできなくても「今日はちゃんと数学やったな」と言えるわけですから、精神的にもサボってしまいがちです。

後者は、「できなかった」とちゃんと感じられます。そして逆に、達成すればきちんと「やり遂げた」という感覚があります。できたか、できなかったかが、しっかりと明確になるので、その分「ちゃんとやらなきゃ!」という感覚が生まれるのです。

ちょっとした違いに見えるかもしれませんが、これめちゃくちゃ重要なんです。自分も、もともと前者のパターンで勉強していて成績が一向に上がらなかった人間です。

ちゃんと毎日家で机に向かって「数学を勉強しよう」としていたのですが、途中でぼーっとしてしまったり、全然進んでいないのに「なんとなくやった気がする」と勉強を途中で辞めてしまったりして、集中力が長続きしませんでした。

次ページおすすめなのは目標の中に「数字」を入れる
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