小学生誘拐殺害予告「愉快犯」で片づけられない訳 日本全国の23自治体に脅迫メールの異常事態
できるだけふだん通り過ごすために必要なのは、やはり1日も早い犯人逮捕。また、その犯人逮捕を世間に広めることで、「愉快犯は逮捕され、こんな罪を負わされる」「こんな犯罪は割に合わない」と感じさせるべきでしょう。
さらに、愉快犯からターゲットにされやすい子どもたちを守っていくためには、子どもに対する犯罪行為のさらなる厳罰化を視野に入れてもいいのではないでしょうか。
「愉快犯」を愉快にさせない報道を
今回のニュースでは、メディアの報道姿勢に疑問を感じるところが多々ありました。
その最たるところは、報道自体が少なかったこと。ウクライナ情勢や誤送金問題はもちろん重要なニュースであり、BTSや大行列のニュースで「数字を稼ぎたい」という気持ちも理解できます。しかし、愉快犯の可能性が高かったとしても、メディアが報じる社会的な意義は、他のニュースと同等以上に高かったのではないでしょうか。
誘拐殺害予告の内容、推察される犯人像、注意すべきポイントにふれるのはもちろん、それらと同等以上に重要なのは、「このような犯罪は捕まる可能性が極めて高い」「捕まったら重い罪を負わされ、その後の生活や人生に悪影響を及ぼす」などの厳しさを伝えること。情報番組であれば、MCもコメンテーターもゲスト解説者も、他のニュース以上に毅然とした態度で振る舞い、厳しい口調で語るべきテーマでしょう。
逆に、不安そうな親子の姿を映し、それを見た出演者が心配しているようでは、愉快犯を喜ばせ、模倣犯を生み出すだけ。「愉快犯や愉快犯の予備軍がこの番組を見ている」という前提で抑止力につなげるような放送を求めたいところです。
その意味で、もう1つメディアが気を付けてほしいのは、もし今回のようなニュースが何らかの刺激的な要素を持っていたとしても、連日多くの時間を割いて放送しないこと。さわぐほど愉快犯が「自分の影響力は大きい」と勘違いしてしまうため、犯罪が発生するたびに、厳しくシンプルに伝えていくことが大切なのです。
今後、犯人が逮捕されたとき、メディアが厳しい姿勢で報じることで抑止力につなげていけるのか。私たち見る側がそれをチェックすることで、間接的に子どもたちを守ることにつながっていくような気がします。
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