問題言動連発「細田議長」に自民党が頭抱える理由 10増10減に異議、議員報酬への発言、セクハラ疑惑も

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そもそも、細田氏の言う「手取りで月額100万円未満」という議員歳費は、各国の国会議員に比べても決して低額ではない。しかも、日本の国会議員には①月額100万円の調査研究広報滞在費(旧文書通信交通滞在費)、②非常に格安な議員宿舎、③無料で選挙区と往復できるJRパスや航空券、など数々の特権もある。

だからこそ細田氏の発言に対し、ネット上では「守銭奴!」「さっさと辞めろ!」など怒りの書き込みがあふれた。有識者も「まさに『永田町の常識は国民の非常識』を象徴する発言」と怒りをあらわにする。

この騒ぎに焦った細田氏は、12日夜の議長公邸での各党代表者との懇談で「あちこちから怒られて反省している。今後は発言を控える」と陳謝し、事態収拾を図ったが、発言内容自体は撤回しなかった。

先輩議長も「国会の権威丸つぶれ」と批判

一連の細田発言については、与党内でも批判が巻き起こった。13日に公明党の石井啓一幹事長が「ぜひ慎重な対応をお願いしたい」と苦言。大島理森前衆院議長も同日、「アダムズ方式」は与野党での結論だとして、「深く考え、ぜひ尊重してほしい」と訴えた。

さらに、14日には伊吹文明・元衆院議長が二階派会合で、「(議長が)議会が決めた法案を公然と批判したら、国会の権威は丸つぶれだ。ポジションにいる者は言ってはいけないことがある」と、先輩議長の立場から厳しく批判した。

細田氏は2代目の世襲議員で11回連続当選、党幹事長や党内最大派閥清和会会長も務めた実力者。父親の吉蔵氏(故人)も党総務会長や運輸相などを務めた有力議員だったため、いわゆる「地盤、看板、カバン」をそのまま受け継ぎ、「圧倒的保守地盤の島根で楽々当選を重ねてきた」人物だ。

それだけに、父・吉蔵氏と親密だった政界関係者は「苦労知らずのお坊ちゃん政治家だから、ああいうおごった発言が出る」と苦々しげに語る。ただ、細田氏が政界入りする前の通産省(現・経済産業省)時代の同僚は「2世政治家らしくない、とても常識的で謙虚な人物だった。あんな発言をするとは信じられない」とその変貌ぶりに首をかしげる。

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