問題言動連発「細田議長」に自民党が頭抱える理由 10増10減に異議、議員報酬への発言、セクハラ疑惑も

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議長就任前の細田氏は、最大派閥領袖として当時の安倍首相を支えて長期政権に貢献し、その論功で議長に就任したとの見方も多い。騒動の渦中の17日に開催された安倍派政治資金パーティーでの来賓あいさつでも、トップバッターの岸田文雄首相に続いて演壇に上がり、「7年間派閥の会長を務め、議長就任で安倍さんにバトンタッチした」と自らの存在を誇示した。

ただ、挨拶は1分あまりにとどめ、一連の問題発言には一切触れなかった。これに対し、居並ぶ安倍派議員の間では「わが派の参院選候補者への逆風になりかねない」との不安の声が広がった。

苦境の細田氏を追い打ちした「文春砲」は、細田氏が過去に担当女性記者らへのセクハラ発言を繰り返していたと指摘。細田氏が深夜に自宅から女性記者に電話して、「今から来ないか」と誘ったというセクハラを、複数の女性記者の証言を根拠として掲載している。

細田氏は「そのような発言をした事実はなく、深夜に来た事実もない」と完全に否定。そのうえで「当該のマンションは書類の山で他人を招き入れるような場所でもない」と釈明したが、真相はまさに藪の中だ。

「参院選に響く」と頭を抱える与党

野党は会期末まで約3週間となった国会で、細田攻撃を強める構え。泉健太立憲民主党代表は20日、衆院議院運営委員会理事会で細田氏がきちんと説明しない場合、議長不信任決議案の提出も検討する考えを示した。

2022年度補正予算案審議は25日から始まるが、野党側はその中で細田氏の言動を取り上げ、政府与党に揺さぶりをかける構え。与党内にも補正予算審議への影響を懸念する声が多く、「議長の疑惑が長引けば参院選に響く。議長不信任決議案が出たら、与党を取り巻く状況は厳しくなる」(自民国対幹部)と頭を抱えているのが実態だ。

泉 宏 政治ジャーナリスト

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いずみ ひろし / Hiroshi Izumi

1947年生まれ。時事通信社政治部記者として田中角栄首相の総理番で取材活動を始めて以来40年以上、永田町・霞が関で政治を見続けている。時事通信社政治部長、同社取締役編集担当を経て2009年から現職。幼少時から都心部に住み、半世紀以上も国会周辺を徘徊してきた。「生涯一記者」がモットー。

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