倍率180倍「日産×高萩」車中泊実証が人気の訳 「アウトドアの町」が描く新たな観光ニーズ
日産は、2022年3月28日に「日産自動車、高萩市と車中泊体験の実証実験に関する協定を締結」というプレスリリースを発表した。コロナ禍で車中泊が注目される中、こうした実験が行われることは理解できる。しかし、「なぜ高萩市なのだろうか」と疑問に思った。
そこで、実証実験で使用するクルマと同型の日産「キャラバン マルチベッド」を日産から借り出し、茨城県の北部に位置する高萩市の実験現場に行ってみた。まずは、今回の実証実験の概要から紹介しよう。
実施期間は2022年4月28日から2022年5月17日まで。募集人員は10組20人で、小学生以下の子ども1人までの参加も可能(ペットは参加不可)。
参加費用は1人あたり税込6000円(小学生以下は3000円)で、ここにはキャラバン マルチベッドの利用料金(1泊2日)、1日目の夕食と2日目の朝食、さらに、釣り、ブッシュクラフト、ヨガ、乗馬、セグウェイ試乗などのうち、2つのアクティビティの参加費用が含まれる。
参加の応募は日産の特設サイトで2022年3月28日から4月15日まで行われ、なんと1800組もの応募があったという。競争率は、実に180倍だ。まさに車を使ったキャンプや車中泊への関心の高さがうかがえる数字である。
まずは目的地に向けて出発!
2022年5月15日の早朝、筆者は東京の都心周辺を出て、首都高速と常磐自動車道で距離にして約160km、時間にして2時間ほど北上し、高萩ICから一般道へ。山間部を走ること約15分で、太平洋が望める海岸線に出た。
今回の実証実験では、車中泊が可能なポイントを市内各所で5カ所設定しており、高戸小浜海岸もその1つとなっている。強く打ち寄せる波によって浸食され、大きく切り立つ崖に挟まれた2つの入り江が、独特の風景美をもたらしていた。
無料駐車場の1段高い場所が、車中泊のスポット。取材日は実証実験期間中であったので、事前に高萩市役所には取材申請をしたうえで、この場所に車をとめた。まずはここで、ブランチタイムとする。
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