倍率180倍「日産×高萩」車中泊実証が人気の訳 「アウトドアの町」が描く新たな観光ニーズ
「キャンプはこれまで何度もやっているが、車中泊に興味があって今回応募した」とのことで、前日は高戸小浜海岸に泊まったという。内海夫妻とガイドの方が森の中に入っていく姿を見送り、こちらはさらに高萩市周辺の探索に出かけた。
翌日、JR高萩駅の駅前にある観光協会の関連施設で、高萩市産業建設部・観光商工課・係長(兼)観光グループリーダーの細金満寿さんと、一般社団法人 高萩市観光協会・事務局の佐藤克江さんから、今回の実証実験に関して詳しくお話を聞いた。
まず、参加者について聞くと、参加10組のうち、子ども連れが半分程度だという。居住地は、北は宮城から南は和歌山までで、首都圏からの参加が多いそうだ。
1800組のニーズに応えるパッケージを
今回の企画は、令和元年に小山ダムの事業を始めるタイミングで、体験できる観光として“アウトドアの町”という観光政策の方向性が、市から示されたことに起因する。
その中で、一般事業者から「キャラバンを使った車中泊のプロモーションビデオを作りたい」という話が来た。そうしたことを下地として、「市としては地域の活性化、公共施設等の利活用、さらに2次交通のあり方などを考慮し、この地域には車中泊の重要性が高いと判断した。車中泊の需要とのマッチングを見定めたいとの思いから実証実験を行っている」(細金氏)という。
車中泊スポットとしても、「雨の日に退避できることも念頭に、空き家や公共施設(里山交流館)なども含めて設定した」と話してくれた。これまで実証実験の参加者に行ったアンケート調査では、参加に対する満足度が高く、企画はとても好評だという。
そのうえで、応募した1800組の情報も含めて開催時期や観光パッケージの作り方など、実用化に向けた対応を進めていくとのことだ。
そもそも、高萩市には各種キャンプ場はあったが、オートキャンプ場はなく、また道の駅や大型のホテルもなかった。
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