KADOKAWA、希望退職300人募集の不安

ドワンゴと統合後、早くもリストラに走る

人事や給与体系はバラバラ、労組も複数あるKADOKAWA(東京都千代田区の角川本社)

KADOKAWA・DWANGOは1月16日、「セカンドキャリア支援プログラム」と題し、傘下の出版大手KADOKAWAで300人程度の希望退職を募るリストラ策を発表した。1945年創業のKADOKAWAと、1997年誕生のドワンゴ。両社が持ち株会社下で経営統合したのは2014年10月だ。わずか3カ月前だが、まず“人減らし”でKADOKAWAのスリム化を先行させることになった。

希望退職の対象となるのは、3月末時点で、41歳以上かつ勤続5年以上の正社員。退職者には特別支援金を支給し、支援会社を通じて再就職をサポートする。KADOKAWAの正社員は約1980人(2014年9月末)で、今回の募集人数は全体の約15%に当たる。出版市場縮小が続く中、デジタル分野へのシフトを急ぐ考えだ。

KADOKAWAの場合、ドワンゴとの経営統合の1年前、2013年10月に傘下の角川書店、アスキー・メディアワークス、メディアファクトリーなど9社を吸収合併、事業会社として一つになった経緯がある。それまでも2011年に角川映画を角川書店が吸収したりと、創業家出身の角川歴彦会長主導で再編を重ねてきた。

過大になっていた管理部門

グループ会社をまとめるうち、人員規模で目立って過大になっていたのが、人事などの管理部門だ。今回の募集では、社員の半分に当たる、1000人弱が条件に該当する。「実際にはまず管理部門が対象になるだろう。どこかで手を打たなければならない課題だった」(KADOKAWAグループ幹部)。

2014年3月時点では、KADOKAWAの平均年齢が39.8歳(正社員1919人)、平均年収が641万円。一方のドワンゴは、同年9月時点で32.7歳(同486人)、581万円。当然ながら、老舗のKADOKAWAのほうが、シニアでかつ高給取りだ。希望退職が実施されれば、より若くて給料も低い、ドワンゴ社員とのギャップを縮められる。

実は、ドワンゴとの融合よりも先に九つの会社を合併したKADOKAWA内部では、解決しなければならない問題が山積している。

「急激なグループ再編に振り回されてきた。営業や編集の現場も疲弊している」(ある現役社員)と、社内のモチベーションは低下。一つの会社になりながら、給与を含む雇用体系については、それぞれの社員がいまだ旧会社のままという、いびつな状態にあるからだ。現在でも労働組合は複数存在する。

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