KADOKAWA、希望退職300人募集の不安 ドワンゴと統合後、早くもリストラに走る

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あるKADOKAWAグループ幹部は振り返る。

「この数年間、角川会長には、後継体制作りに焦りが感じられた。急激な組織改編で混乱を引きずったまま、経営統合まで突っ走ってしまった」。

角川会長にとって、ドワンゴとの統合は収益基盤拡大に加え、川上量生・ドワンゴ会長という後継者を得る“一石二鳥”の手だった。が、同社のニコニコ動画は会員数4320万人(2014年9月末)と、プラットフォームとして強力だが、KADOKAWAのコンテンツと連携させる絵は描けていない。

今上期は営業赤字に転落

実際にKADOKAWAの経営環境は厳しい。足元の2015年3月期第2四半期は、前年の28億円の営業黒字から、9億円の赤字に沈んだ。

かつて40万部の販売を誇った『東京ウォーカー』も、今や2.5万部まで激減、情報誌の地盤沈下を物語る。希望退職の募集も、KADOKAWA側のみ。両トップの電撃的合意で走った経営統合だが、KADOKAWAの現場は置き去りにされている。

(撮影:尾形文繁)

「週刊東洋経済」2015年1月31日号<26日発売>「核心リポート04」を転載)

山田 泰弘 東洋経済 記者

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やまだ やすひろ / Yasuhiro Yamada

新聞社の支局と経済、文化、社会部勤務を経て、2014年に東洋経済新報社入社。IT・Web関連業界を担当後、2016年10月に東洋経済オンライン編集部、2017年10月から会社四季報オンライン編集部。デジタル時代におけるメディアの変容と今後のあり方に関心がある。アメリカ文学、ブラジル音楽などを愛好

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