4630万円誤送金騒動がこんなにもややこしい理由 急転直下の逮捕でも消えない4つのモヤモヤ
また、「少しずつでも返していきたい」という田口容疑者の言葉が4つ目のモヤモヤを感じさせるものでした。「『少額だけ返して逃げ切ろう』としているのではないか。時効はないのか」「『返す』と嘘をついていた人を今さら信じろと言うのか」「逮捕されても、けっきょくオンラインカジノの捜査ができず、刑期を終えたあとに海外で使おうとしているのではないか」などと、やはり疑ってしまうのです。
その他にもネット上には、「誰かブレーンがいるのではないか。入れ知恵がなければここまでやれないだろう」「複数の弁護士を雇っているような報道があったが、そんなお金があるのはあやしい」「そもそもオンラインカジノはダメではないのか」などのモヤモヤを感じている人の声が挙がっています。
まるでドラマや映画のような展開
業務上のミスからはじまり、嘘、裏切り、疑惑、謎……。少し見方を変えると、「もしも、あなたの預金口座に大金が振り込まれたら……」というキャッチコピーのドラマや映画のように見えるのではないでしょうか。そう、今回のニュースは、「田口容疑者に懲罰感情は抱きつつも、どこか他人事として見ている」というニュアンスの濃いものなのです。
コロナ禍やウクライナ情勢などの命にかかわるニュースが続いている中、誤振り込み問題にはそこまでの深刻さがなく、自分に置き換えて楽しめるエンターテインメントのようになっている感は否めません。だからこそ田口容疑者が逮捕された現在、懲罰感情は一気に薄れ、「嘘を暴き、お金を全額回収する」というドラマや映画のようなハッピーエンドを望んでいる人が多いのではないでしょうか。
そのうえで最後にふれておきたいのは、田口容疑者に対してこれ以上のバッシングは無用ということ。私たちは捜査機関の事実解明を注視していればいいのであって、「お金を返済させる」という意味でも社会的に抹殺するような書き込みはしないほうがいいでしょう。自分自身のメンタルヘルスにとっても、阿武町の人々にとっても、誰か1人を憎み、批判を浴びせ続けることは得策とは言えないのです。
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