また、ある大手電機メーカーでは、それまでアシスタントとしてしか担当させていなかった女性社員を商品開発やデザイン部に積極的に配置していった。そしてある商品開発チームをほとんど女性で結成し、複数のヒット商品を創り出した。女性の使用者が多い家電製品を、実際に使う消費者側の視点で開発した商品が成功したのである。
これらは「ダイバーシティ(多様性)」に適切に対応している事例の一部であるが、多くの日本企業はまだダイバーシティを切実な問題として考えていない。そのため、具体的な成功例は海外ほどないのが現状だ。
しかし、今後、グローバル化はさらに進み、企業競争は世界レベルで激化していくことが予想される。消費者の多様性はもちろん、社員も正規、非正規、外国人など以前よりはるかに多様化が進んでいる。ダイバーシティを上手にマネージ(管理)して企業の成長につなげていくことがこれまで以上に求められている。
逆にこうした多様性を取り込んでいかなければ、日本企業は世界中の顧客や人材から相手にされなくなる可能性が高い。そのときになって慌ててダイバーシティの体制を整えようとしても手遅れとなるかもしれない。日本企業の競争力を今後も維持するためにも、今こそ本気でダイバーシティを進めるべき時であると考える。
パク・ジョアン・スックチャ

