値上げを受け入れなければ、契約打ち切り。電力業界で起こる前代未聞の異常事態に迫る。
ウクライナ戦争後、「資源大国」であるロシアは世界のエネルギー秩序を崩壊させた。エネルギー資源の9割を輸入に依存する「資源小国」の日本は無傷ではいられない。
特集「エネルギー戦争」の第1回は、電気料金の大幅値上げや契約打ち切りを迫られる電力難民急増の実態に迫る。
電気料金の値上げを受け入れるか、解約の申し込みをしていただきたい。さもなくば、当社側で契約を打ち切らせてもらいます――。
東京電力グループの新電力会社テプコカスタマーサービス(東京・港区、以下TCS)による一方的な電気料金の大幅値上げの提示が独占禁止法違反(優越的地位の濫用)に当たるとして、関西地区の顧客企業が公正取引委員会に排除措置命令を出すように求めていることがわかった。
公取委に申告書が送付されたのは4月27日。関係者によれば、申告に加わった企業は5月中旬現在までに400社を超えるという。
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