原発への「武力攻撃」にはどんな安全対策でも無力 ウクライナは稼働継続、原発高依存の危険

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原発に対する武力攻撃への備えを強化すべきだー。北朝鮮によるミサイル発射が増える中、原発への安全対策を求める声が強まっているが…。

ロシア軍の攻撃を受けたザポリージャ原発(写真:Press Service of National Nuclear Energy Generation Company Energoatom/AP/アフロ)

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ウクライナ戦争後、「資源大国」であるロシアは世界のエネルギー秩序を崩壊させた。エネルギー資源の9割を輸入に依存する「資源小国」の日本は無傷ではいられない。
特集「エネルギー戦争」の第5回は、原発の利用拡大の声が強まる中で武力攻撃への対策に迫られる現状に迫る。

第1回:大幅値上げに契約お断り「電力難民」急増の危機

第2回:プーチンが火をつけた「エネルギー戦争」の超深刻

第3回:ロシア制裁で大揺れの商社「資源権益」の明暗

第4回:経団連会長「年2兆円」の脱炭素国債を求める訳

第6回:資源をロシアに頼りすぎたドイツの大失敗に学べ

第7回:ロシア禁輸で「第3次石油危機」が起こらない理由

 

ロシアによるウクライナへの軍事侵攻では、原子力発電所が武力攻撃の対象となるという、歴史上初めての事態に見舞われた。

ロシア軍は、史上最悪の事故を起こして廃炉作業が進められているチョルノービリ(チェルノブイリ)原発および6基の原子炉を擁する欧州最大規模のザポリージャ原発を武力攻撃により占拠。チョルノービリ原発からは撤退するも、現在もザポリージャ原発を支配下に置いている。

そもそも、原子力エネルギーの発電への利用は「原子力の平和利用」の一環だ。核不拡散条約においても、原子力の平和利用は、核軍縮、核不拡散と並ぶ3本柱の1つとされている。平和利用は、他国を侵略しないという国際法の原則順守が大前提だ。

また、ジュネーブ条約では、万が一損傷した場合に住民が被る損害の大きさを理由に、ダムや堤防などとともに原発を武力攻撃することを禁止している。核不拡散条約およびジュネーブ条約のいずれもロシアは批准している。

しかし、今回ロシアが核兵器の使用を示唆するとともに、原発を攻撃したことは、第2次世界大戦後の国際秩序の根幹である原子力の平和利用の前提を、核保有国自らが崩壊させたことに等しい。そのことの重大性は計り知れない。

矛盾する日本の姿勢

ウクライナの危機的事態は、日本にとっても遠い国の出来事ではなくなっている。今年に入って、北朝鮮はすでに15回にわたりミサイルを発射している。韓国政府は、北朝鮮による核実験準備の兆候があると指摘している。

こうした中、日本国内でも原発に対する武力攻撃への備えを強化すべきだとの声が高まっている。自民党は4月26日に「新たな国家安全保障戦略等の策定に向けた提言」を発表。自衛隊が原発の警護をできるようにすべく、法的な検討を行うことなどを提言書に盛り込んだ。

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