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ロシア制裁で大揺れの商社「資源権益」の明暗 北極海で建設中のLNG事業は計画遅れの懸念

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三井物産が参画するロシア北極圏の液化天然ガス「LNG」事業の雲行きが怪しくなっている。

ロシア北極圏で建設中の巨大LNGプロジェクト「アーク2」。計画の遅れが懸念されている(写真:AFP/アフロ)

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ウクライナ戦争後、「資源大国」であるロシアは世界のエネルギー秩序を崩壊させた。エネルギー資源の9割を輸入に依存する「資源小国」の日本は無傷ではいられない。
特集「エネルギー戦争」の第3回は、ロシアへのエネルギー制裁で揺れる日本の商社に迫る。

第1回:大幅値上げに契約お断り、「電力難民」急増の危機

第2回:プーチンが火をつけた「エネルギー戦争」の超深刻

第4回:経団連会長「年2兆円」の脱炭素国債を求める訳

第5回:原発への「武力攻撃」にはどんな安全対策でも無力

第6回:資源をロシアに頼りすぎた「ドイツの失敗」に学べ

第7回:ロシア禁輸で「第3次石油危機」が起こらない理由

 

2月24日に始まったロシアによるウクライナ侵攻は、日本のエネルギー調達にも大きな影を落としている。

足元では、西側諸国がロシア産エネルギーへの依存を減らす動きも相まってエネルギー価格は高騰している。5月9日未明にオンラインで開催されたG7(主要7カ国)の首脳会合ではロシア産原油の原則輸入禁止で一致した。

各国政府の動きに先駆けて、欧米のオイルメジャー各社は2~3月にかけて相次いでロシア事業戦略の見直しを表明した。イギリスのシェルは2月28日にサハリン2からの撤退を公表。翌3月1日にはアメリカのエクソンモービルがサハリン1からの撤退を公表した。

この2つのロシア極東の石油・天然ガス開発事業は日本との関わりが深い。とくに三井物産(12.5%)、三菱商事(10%)が出資するサハリン2で生産したLNG(液化天然ガス)は、日本のエネルギー調達にとって重要なものだ。

代替調達コストは重い

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