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経団連会長「年2兆円」の脱炭素国債を求める理由 「野心的な技術開発には財政支援が必要だ」

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国債発行で年間2兆円の財政支援をーー。脱炭素化への財政支援を求めていた経団連の提言どおり、政府は新たな国債発行の検討に入った。

十倉雅和(とくら・まさかず)/日本経済団体連合会会長(住友化学会長)。1950年生まれ。1974年東京大学経済学部卒業、同年住友化学工業(現住友化学)入社。2000年技術・経営企画室部長、2003年執行役員、2008年代表取締役常務執行役員、2011年社長、2019年会長。2021年6月から日本経済団体連合会会長。(撮影:今井康一)

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ウクライナ戦争後、「資源大国」であるロシアは世界のエネルギー秩序を崩壊させた。エネルギー資源の9割を輸入に依存する「資源小国」の日本は無傷ではいられない。

特集「エネルギー戦争」の第4回は、日本経済団体連合会の十倉雅和会長(住友化学会長)のインタビュー。経団連は4月、エネルギー転換に向けて官民で累計400兆円の投資を促す政府への提言を発表していた。

第1回:大幅値上げに契約お断り「電力難民」急増の危機

第2回:プーチンが火をつけた「エネルギー戦争」の超深刻

第3回:ロシア制裁で大揺れの商社「資源権益」の明暗

第5回:原発への「武力攻撃」にはどんな安全対策でも無力

第6回:資源をロシアに頼りすぎた「ドイツの失敗」に学べ

第7回:ロシア禁輸で「第3次石油危機」が起こらない理由

 

──ウクライナ危機が日本のエネルギー政策に与えた影響は。

ウクライナ危機によって、日本はエネルギー安全保障の重要性を痛感させられた。

島国の日本は電力をどこの国からも融通してもらえない。平地が少なく海が深いため、太陽光発電や洋上風力発電も地理的に不利な環境だ。こうした厳しい環境の国に住んでいるという不都合な真実を国民は直視しなければならない。

日本政府の対応は現実的

──政府はロシアでの石油・天然ガス開発事業「サハリン1」「サハリン2」からは撤退しない方針です。エネルギー制裁に対する日本の対応をどうみますか。

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