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プーチンが火をつけた「エネルギー戦争」の超深刻 「資源を持たざる国」日本の不都合な現実

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ウクライナ戦争が始まった「2.24」以降、世界のエネルギー秩序は崩壊した。その余波は、「資源を持たざる国」日本にも襲いかかる。

5月9日、ロシアの対独戦勝記念日式典で演説するプーチン大統領(写真:ロイター/アフロ)

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ウクライナ戦争後、「資源大国」であるロシアは世界のエネルギー秩序を崩壊させた。エネルギー資源の9割を輸入に依存する「資源小国」の日本は無傷ではいられない。
特集「エネルギー戦争」の第2回は、データとともに今後の資源価格の行方に迫る。

第1回:大幅値上げに契約お断り「電力難民」急増の危機

第3回:ロシア制裁で大揺れの商社「資源権益」の明暗

第4回:経団連会長「年2兆円」の脱炭素国債を求める訳

第5回:原発への「武力攻撃」にはどんな安全対策でも無力

第6回:資源をロシアに頼りすぎた「ドイツの失敗」に学べ

第7回:ロシア禁輸で「第3次石油危機」が起こらない理由

 

「1カ月後に世界規模の核戦争に至るおそれさえある。すべてはクレムリン(ロシア大統領府)次第だ」

ロシアによるウクライナ侵攻から3カ月。欧州復興開発銀行の初代総裁としてソ連崩壊後の東欧諸国の復興を主導した経済学者のジャック・アタリ氏がそう語るとおり、ウクライナでの戦争は長期化し、混迷を極めている。

戦争が始まった「2.24」後、世界のエネルギー情勢も一変した。需給が逼迫するとの懸念から、3月7日に原油先物価格は一時1バレル=140ドルに迫る水準まで急伸。同日、欧州の天然ガス価格(TTF)は、原油換算で400ドル超と過去最高の異常な値をつけた。

欧米諸国はロシアの戦費をそぐために、SWIFT(国際銀行間通信協会)決済網からのロシア排除や、ロシアからの化石燃料への依存度を下げる計画を相次いで表明。

すると、3月23日にプーチン大統領は「ロシア産天然ガスを購入する非友好国企業に対して、ルーブルでの支払いを求める」と表明。拒否した場合はガス供給を停止すると警告した。実際に、4月27日にはポーランドとブルガリアへの天然ガス供給を停止した。

エスカレートするエネルギー戦争

ロシア(当時はソ連)は東西冷戦の時代にも西欧諸国にガスを供給し続けた。天然ガスを盾に取りEU(欧州連合)を脅すのは、第2次世界大戦後の歴史で初めてだ。プーチン大統領が引き起こした「エネルギー戦争」は、日増しにエスカレートしている。

今後のエネルギー情勢はどうなるのか。

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