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ロシア禁輸で「第3次石油危機」が起こらない理由 制裁は「抜け道」だらけで歴史的な暴騰にならず

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ロシアからの石油禁輸を検討するEU。その一方、ロシア産の原油に飛びつく国々もある。エネルギー制裁と原油価格の行方は。

4月、ロシア産原油のノルウェー輸送に抗議し、積み下ろしを妨害する環境活動家(写真:ロイター/アフロ)

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ウクライナ戦争後、「資源大国」であるロシアは世界のエネルギー秩序を崩壊させた。エネルギー資源の9割を輸入に依存する「資源小国」の日本は無傷ではいられない。
特集「エネルギー戦争」の第7回は、ロシア制裁の影響と石油価格の今後を分析する。

第1回:大幅値上げに契約お断り、「電力難民」急増の危機

第2回:プーチンが火をつけた「エネルギー戦争」の超深刻

第3回:ロシア制裁で大揺れの商社「資源権益」の明暗

第4回:経団連会長「年2兆円」の脱炭素国債を求める訳

第5回:原発への「武力攻撃」にはどんな安全対策でも無力

第6回:資源をロシアに頼りすぎた「ドイツの失敗」に学べ

 

「われわれの仲間の中には、ロシアの石油に大きく依存している国もある。だが、ともかくやらなければならないのだ」

2022年5月4日、フォン・デア・ライエン欧州委員会委員長は、第6次制裁として発表したロシア産石油禁輸の必要性をそのように強調した。4月8日には石炭禁輸を決定(今年8月から開始)し、そして今回の石油禁輸である。

代替が容易ではないガスについては、もうしばらく時間がかかる見込みだ。もっともルーブル決済問題が火を噴き、ロシア側から先に供給を停止されるリスクはある。

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