ロシアからの石油禁輸を検討するEU。その一方、ロシア産の原油に飛びつく国々もある。エネルギー制裁と原油価格の行方は。
ウクライナ戦争後、「資源大国」であるロシアは世界のエネルギー秩序を崩壊させた。エネルギー資源の9割を輸入に依存する「資源小国」の日本は無傷ではいられない。
特集「エネルギー戦争」の第7回は、ロシア制裁の影響と石油価格の今後を分析する。
「われわれの仲間の中には、ロシアの石油に大きく依存している国もある。だが、ともかくやらなければならないのだ」
2022年5月4日、フォン・デア・ライエン欧州委員会委員長は、第6次制裁として発表したロシア産石油禁輸の必要性をそのように強調した。4月8日には石炭禁輸を決定(今年8月から開始)し、そして今回の石油禁輸である。
代替が容易ではないガスについては、もうしばらく時間がかかる見込みだ。もっともルーブル決済問題が火を噴き、ロシア側から先に供給を停止されるリスクはある。
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