有力機関による調査・研究リポートからビジネスに役立つ逸品をえりすぐり、そのエッセンスを紹介。
日本が「経常赤字国」になる条件
最も重要な要素は原油価格
・第一生命経済研究所「日本が経常赤字国になる条件」(2022年4月4日)
・第一生命経済研究所 経済調査部 主任エコノミスト 星野卓也
日本の経常収支が昨年12月と今年1月の2カ月連続で赤字となり、「経常赤字国」化が懸念されている。本リポートは、原油価格・為替・インバウンド需要の3つを変数として、2026年までの経常収支のシミュレーションを行った。
22年以降、原油価格(ドバイ)が1バレル=80ドル・100ドル・120ドル、ドル円レートが1ドル=110円・120円・130円でそれぞれ推移した場合ごとに分析した。
それによれば、経常収支を左右する最も大きな要素は原油価格だ。120ドルで定着した場合、経常赤字が現実味を帯びる。コロナ禍の渡航制限がなかった場合の26年時点の訪日外国人数は推計約5900万人で約6兆円の黒字要因となり、インバウンド需要の回復も重要だ。
経常黒字下での円安は、一般に黒字拡大要因とされるが、日本では、輸出額よりも外貨建てシェアの高い輸入額の規模が大きくなるために、経常収支全体の黒字縮小・赤字拡大要因になりうることも示された。今回の分析では、原油価格100ドルでもドル円レートが130円になれば、(インバウンド需要の回復は見込まない)22年の経常収支は赤字と試算された。
コロナ禍で進むエンタメ界のDX
ライブ配信からメタバースへ
・東レ経営研究所「コロナ禍で進むエンタメ業界・オタク界隈のDX」(2022年3月31日)
・東レ経営研究所 産業経済調査部 研究員 山口智也
エンターテインメント・オタク市場は2000年代以降、ライブやコンサートなど「リアル」志向を強めてきた。そのためコロナ禍のイベント制限の影響は甚大だ。本リポートは、同市場がリアル志向を強めた背景と、コロナ禍の苦境を打開すべく進めているDXの動きを概観する。
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