上司をコロコロ転がす、正しい太鼓の持ち方 35の「ゴマすりフレーズ」をマスターしよう
だが、歯が浮くような言葉も自信を持って言い放てば周囲の視線は嘲りから「そこまでやるか」と賞賛にかわるかもしれない。上司も正しく太鼓を叩かれ続ければ、「こいつ、かわいいやつだ」と思うかもしれない。
著者は呼びかける。自分の身の程を知り、子分であることを認めてしまえば媚びることに対しての抵抗もなくなる。今こそ太鼓を高らかに叩こうではないかと。見も蓋もないけれどもそれが企業社会の真実なのかもしれない。ネタ本として読み始めたはずの本書の「はじめに」だけを読んで妙に考えさせられてしまった。
上手な太鼓の鳴らし方
前置きが長くなったが、取り上げられているフレーズをいくつか組み合わせて使ってみたい。
新入社員にとって鬼門と言えば飲み会の席である。臨場感を出すために、配属された部署の直属の課長である土屋さん(仮名)と飲みに行ったと想定しよう。「こいつはどういう奴だ、気が利くか」と厳しい土屋課長のチェックをくぐりぬけながら、どのように太鼓を鳴らすのか。太鼓持ちとしては、乾杯直後に太鼓の音を高らかに鳴らさなければならない。
変わるわけがない。ビールはビールだ。土屋課長も苦笑するしかないはずだ。その乾いた笑いが続いているうちに、畳み掛けなければならない。お絞りで顔を拭きながらボソリと呟く。じんわり沁みる太鼓を叩く。
杯を重ねると、間も持たなくなってくる。中高時代に憧れた著名人について土屋課長に話を振ってみよう。当然、聞き返されるので、「待ってました」とばかりに鉄板太鼓の出番である。飲み屋の隣の建物から苦情が来るほど憧れ度MAXで鳴り響かせなくてはいけない。
いくら恥じらいを捨てても、明らかに持ち上げる太鼓が続くとお互い少しばかり照れくさい。時には変化球の太鼓で興奮を伝えることも必要らしい。
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