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戦争やパンデミックが「予測不可能」である理由 歴史家がカオス理論から読み解く「大惨事」

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それから、何とはなしに「科学」を重んじる風潮があるが、詳しく調べてみると、それは新しい形の迷信であることが判明する。

「ちゃんとモデルがあるんです。だから、このリスクはわかっています」といったことが、最近のいくつかの災難の前に一度ならず口にされた。でっち上げの変数を使った見掛け倒しのコンピューターシミュレーションが本物の科学であるかのように。

政治的過誤の5つの形態

私たちの政治制度は、ここまで説明してきた難題の数々にとりわけ疎うといように見える人物、すなわちスーパーフォーキャスター(超予測者)ではなく二線級の予測者を指導的な役割に就ける傾向を強めているため、惨事の管理はなおさら困難になっている。

軍の無能の裏にある心理を対象とする、優れた研究がある一方で、政治の無能の背景にある心理については、一般的なレベルでは、これまでそれほど書かれていない。

政治家は何かしら下心がなければ、めったに専門家の知識を求めたりはしないことが知られている。不都合な専門知識が簡単に脇に押しやられてしまうことも周知のとおりだ。

だが、防災準備と減災の分野における政治的過誤の一般的な形態は突き止めることができるだろうか? 以下の5つのカテゴリーが頭に浮かぶ。

1 歴史に学ばないという怠慢
2 想像力の不足
3 前回の戦争あるいは危機のときの対処法を踏襲する傾向
4 脅威の過小評価
5 先延ばし、あるいは、けっして得られない確実性のための待機

核戦略の文脈でヘンリー・キッシンジャーが明確化した「推測にまつわる問題」は、不確実性の下で行われる意思決定の非対称性、特に民主国家でのそれを見事に捉えている。

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【大惨事に備えることのジレンマ】

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