FOMC後の米株の買い安心感は短命に終わる可能性 FRB議長の発言と裏腹に超大幅利上げの可能性残る

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米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長が4日の記者会見でより大幅な利上げ観測を後退させる発言を行ったことで、市場には安堵(あんど)のため息が広がったが、そうしたムードは短命に終わる可能性がある。

当局の断固たる行動がなければ、市場は長引く高インフレと成長減速という有害な組み合わせに直面する心配があるからだ。

米連邦公開市場委員会(FOMC)は3、4両日開催した定例会合で、2000年以来となる0.5ポイントの大幅利上げを決定し、次の2会合においても同幅での利上げを継続することを示唆。さらに大幅な0.75ポイントの利上げを「委員会は積極的に検討していない」とパウエル議長が発言したのを受けて株式・債券相場は急伸し、ドルは下落した。

投資家やストラテジストの見方は以下の通り。

政策の限界

ナンシー・デービス氏(クアドラティック・キャピタル・マネジメント創業者)

「今後の焦点は年内に予想される計2ポイントの追加利上げにシフトした。これらの利上げは既に織り込まれている。米当局の利上げでインフレ高進に歯止めがかかるとなぜ市場が考えるのか、われわれは困惑している。インフレ抑制で金融政策が短期的にできることはほとんどないとわれわれは考える。インフレの要因は大規模な政府支出やサプライチェーンの混乱、直近ではロシアによるウクライナ侵攻だ」

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