お辞儀は45度「なぞビジネスマナー」横行する問題 リモート会議では相手より先に切ってはダメ?
では、どのビジネスマナーは守り、どのマナーは守る必要がないかを見極めるにはどうしたらよいか、というと、第一に「相手に不利益を与えていないか」だ。信じられないが、「よかれと思って相手に害を与えているマナー」というのが割とあるのである。
たとえば、取引先に行った時、「相手に3回勧められるまで座ってはいけない」というマナーがある。しかし、応対した者にとって「相手が立ちっぱなしで待っている」というのはすごく気になることなのだ。
まるで自分が立たせているようだし、「座ってお待ちください」すら言えない気のきかない奴だと他の社員に思われ、「座って待てと言えよ」という視線が痛い。よって、「座ってお待ちください」と言っているのに、それを拒否されるのはきつい。
このように、気を遣ったつもりで、相手に余計気や時間を使わせているマナーというのは意外と多い。
よって、まず「本当に相手のためになっているか」がマナーを守るか否かの判断ポイントだ。時間や手間をかけて己の誠意を見せるより、いかに相手に時間を使わせないか考えるのもマナーである。
マナー自体が意味不明ではないか
次に「意味不明でないか」が重要だ。「お辞儀は45度」というマナーにも「同時発射された実弾2発をちょうどかわせる角度」という理由があるのかもしれないが、あまりビジネスで実弾が2発同時に撃たれる場面はないだろう。
そのマナーに根拠はあるのか、その根拠が納得いくものなのかを考え、納得いかないなら守る意味も低い。
また、どれだけ根拠があっても、著しく時間と合理性を奪うものは思い切って終わりにした方がいいのではないか。ビジネスはとにかく「合理化」が重要である。そんなビジネスのタマを「ビジネスマナー」が奪うというのはもはや「反逆」と言っていい。
今一度、マナーとは誰のために、何のためにあるか、考えてみるべきだ。よくよく考えれば、「全員損している」というマナーが結構見つかるものである。
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