「日経平均株価の見方」を教えよう ヒントは「トヨタ自動車」の株価にあり
安倍首相の中東歴訪を狙い打ったかのように、過激組織「イスラム国」とされる組織がビデオ声明で日本人2人の殺害を警告するという事態が発生しました。原油安、ギリシャ総選挙の結果など、現在の世界を取り巻く懸念材料を挙げると、本当にきりがないくらいです。
日本株の「頼みの綱」である米国景気に関しても、減速懸念が浮上してきたところですし、ギリシャを発端とした欧州リスクへの心配も当面拭えそうにありません。スイス中央銀行の対ユーロ上限撤廃に絡むスイスショックなどもあり、市場の心理は完全に好転したとは言い難いものがあります。
円高や原油安一服で、相場は転換点を迎えた可能性
一方で、1月20日の東京市場は大幅高となりました。日経平均株価は、前日比352円高の1万7366円で終了、1月5日の大発会の寄り付き(1万7325円)を再び上回ってきました。
ECB(欧州中央銀行)による追加の金融緩和期待から、欧州株が軒並み上昇したことや、中国の10-12月期のGDP、さらには昨年12月の小売売上高などが予想を上回る着地となったことが好感されました。
円高や、原油安に一服の兆しが見え始めたことで、株価の反発を見込む投資家が増えてきたようです。確かに「(カラ売りで儲けようとしている)売り方の買い戻しに過ぎない」という冷めた見方もあります。しかし、実は、相場の転換点ではいつもそうなのですが、「実需」の買いだけで「天底」(天井と底値)を形成することは稀なのです。
そもそも、テクニカルアナリストの筆者の感覚からいくと、ドイツのDAX指数が連日で史上最高値を更新しており、これは、欧州リスクが短期的に落ち着くサインのようにみえます。確かに、このところ米国の経済指標では予想を下回るデータも多いのですが、株式を慌てて売るほど深刻なものではありません。ダウ平均株価にしても、史上最高値から3%程度下落した水準でとどまっています。
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