「日経平均株価の見方」を教えよう ヒントは「トヨタ自動車」の株価にあり
では、今後の日経平均はどうなるでしょうか。私は、いったん上昇した反動で少し下に押し戻される可能性はあるものの、米国株次第では、日経平均は、もう一段上昇するとみています。
具体的な株価を予想してみましょう。短期的にイメージしたいのは、昨年の12月8日の高値(1万8030円)を起点とする、モミ合いの相場です。あえて詳しいテクニカル分析は省きますが、現在の日経平均は、一段高に向けての「踊り場」を形成中であることが濃厚です。
ここで大事なのは、今後、株価が「25日移動平均線」(直近25日間の株価の終値の、平均値をとったもの)の上にいるか、同線を挟むようにしてモミ合いを維持できるかです。この線は、「25日間(約1か月)の平均の買いコスト」を示すものです。株価がこの線あたりか上にあるということは、ひらたくいえば、大半の投資家が含み益を抱えているか、イーブンの状態ということになります。この好条件が続くことが、2~3月に株価が上昇するための重要なポイントとなります。
もし、このシナリオ通りならば、あとは株価が上放れるのがいつ頃になるかを予測するだけです。世界の株式市場で、時価総額が群を抜く米国市場が落ち着いてさえいれば、高値トライは時間の問題ですが、まずは今から2週間ほどが重要です。
21日には、20日から開かれていた日銀金融決定会合の結果発表と黒田総裁の会見があります。また、週末には中国の1月HSBC製造業PMI(23日)、さらには米国のFOMC(連邦公開市場委員会、27-28日)や米10-12月期GDP(30日)など、重要指標の発表やイベントが目白押しです。これらを無難に消化しつつ、国内の決算発表を通じて、主力株買いにつながるかどうか。注目すべき局面です。
注意しなくてはならないのは、もし相場が上昇しても、2007年の高値(1万8300円)を前に押し戻される動きがありえることや、高値更新後に上昇一服となるケースがあることです。
逆に、もし上述の25日移動平均線上を保てず、そこから離れて下がっていくようだと、相場は底割れリスクが大きくなります。その際は、1万6000円割れも警戒する必要があります。
さて、最後になりますが、私が所属しているNPO法人・日本テクニカルアナリスト協会ではこのたび「テクニカル分析」の普及活動の一環として、「テクニカル分析」ハンドブック(基礎編)を発刊しました。「テクニカル分析」の初歩を解説した小冊子です。チャートの理解が進むと、日経平均株価はもちろんのこと、為替なども予測できるようになり、投資だけでなく、経済全般で応用できます。興味のある方には冊子を無料で配布しておりますので、是非お申し込みください(お申し込みはこちらから)。
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