地元の足「タッチの差」で乗り継げないモヤモヤ感 三陸鉄道と接続しないバス・釜石市北部大槌編

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筆者だけを乗せて、バスが鵜住居駅に戻ったのは12時05分。この便は三陸鉄道、岩手県交通とも釜石方面への接続がよくない。鵜住居にもスーパーなどはあり、買い物に利用されることを想定したダイヤと解釈しておこう。ただ、大槌町方面は12時02分に赤浜行きが出てしまったところ。接続を求める声がないのだろうけど、ちょっと口惜しい。

鵜住居駅前にはにこにこバスとコミュニティバスが乗り入れる(筆者撮影)

この先、岩手船越までは三陸鉄道と国道45号がほぼ並走する。順序をひっくり返して、13時02分発の浪板行きの岩手県交通を待てばいいのだが、その前、12時32分発には宮古行きの列車が来る。それに浪板海岸まで乗り、浪板バス停から折り返し大槌へ戻り、最後に赤浜へ行けばいいと、スケジュールを組み立てた。駅前の観光交流施設「鵜の郷交流館」には土産物店のほかに食事処も入っており、観光客を迎え入れる体制は整っている。

三陸鉄道の貴重な戦力

宮古行きには、36-105号が充当されていた。東日本大震災の発生時、吉浜―唐丹間の鍬台トンネル内で緊急停車し、乗客、乗務員を守った車両だ。1984年の三陸鉄道開業時に新製された気動車で、車齢は40年に近い。正直、老朽化は隠せないのだが、盛駅構内で同形車3両が被災、廃車のやむなきに至ったため、今も三陸鉄道の貴重な戦力として運用されている。

鵜住居駅に到着する三陸鉄道の列車。手前が36-105(筆者撮影)

鵜住居から大槌、大槌から吉里吉里と、ひと駅ごとに軽い峠越えがある。釜石―宮古間がJR東日本から三陸鉄道へ移管され、2019年3月23日に運転を再開するまでの間、何度も代替バスで通った区間だ。復旧から日が浅いだけに、まだ鉄道よりバスの車窓のほうが馴染みがある。瓦礫の山だった頃から比べると、幹線道路沿いはさすがに復興が進んでいる。ただ、河川の改修工事などはまだ続いている。目的は定かではないものの、浪板でも重機が動いていた。

吉里吉里―浪板海岸間は、珍しく列車が海に近いところを走る。12時47分に到着した浪板海岸駅は駅名の通り、海の眺めがよいところだ。少し高台にあって、周囲に再建された民家も集まる。駅前には津波被害を後世に伝える石碑が立つ。浪板バス停は、新しい集落の入り口にあった。

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