「食品を山ほど捨てる日本人」親子で知るべき実態 池上彰が語る、大人こそ押さえたいSDGs的視点
「買いすぎ・頼みすぎ・作りすぎ」を控えることは、食品ロスを減らすうえで必要不可欠な認識です。世界では9人に1人が栄養不足といわれ、子どもたちも学校でSDGsについて学んできている今、飽食の時代を少なからず生きてきた私たち大人の“意識改革”なくして、環境問題について子どもや家族と語ることなどできません。
ゴミを減らす「3R」とは?
ここで、食品ロスに連なる「ゴミ問題」についても把握しておかなければなりません。世界人口の増加に伴い、ゴミが増え続けているのは周知の事実ですが、ゴミを廃棄する際には二酸化炭素が排出され、環境破壊につながります。そこで最近は、一人ひとりが出すゴミを減らせるよう「3R(リサイクル・リユース・リデュース)」が推進されています。
例えば、ビンや缶、ペットボトルなどはきれいに洗ってリサイクルに出すことで、新たな製品に再利用されます。使い古した自転車も、自転車店などに引き取ってもらえば鉄の材料としてリサイクルされることになる。パソコンや携帯電話、電池なども、市区町村で回収されたあと建設材料などに生まれ変わります。
繰り返し使えるような製品を買うこともゴミの削減につながります。詰め替えできるものや、洗って使えるビン製品を選んだり、あるいは長く着られる服を選んだりすることも地球環境を守るために有効でしょう。また、マイバッグや水筒を持ち歩けば、レジ袋やペットボトルを買わずにすむ。地味に見えることでも、コツコツ続けて無駄づかいを減らすことが、結局は地球を守ることにつながっていきます。
ゴミの分別やポイ捨てについて子どもをたしなめる場面は、親なら、そして大人ならよくあることだと思いますし、かつてに比べてゴミ捨てに厳しい今の世の中を生きる人間として、「ゴミになるものを増やさない」という意識はこれまで以上に重要なことです。一人ひとりが出すゴミは少しでも、世界規模では膨大な量になる。この点を私たち大人はしっかりと認識し、子どもに伝えていくべきでしょう。
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