今年のGWこそ楽しみたい、富士山5合目の魅力4選 広大な裾野の富士山麓は多様な魅力の宝庫

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山地では、標高が上がるごとに気温が下がり、冬季の積雪や、強い季節風など、植物が生存、繫栄することができる条件が失われていきます。そのため、ある標高を越えたところで、森林が成立しなくなり、植物はまばらに生育するのみとなり、やがて姿を消します(とはいえ自然に例外は付き物で、富士山の山頂では、わずかながらの植物の生育が記録されています)。このような境目を「森林限界」といいます。

森林限界(写真:筆者撮影)

近年では温暖化の影響により、この森林限界の境界が上がりつつあります。5合目からの眺めでは、富士山の色が森の緑から、富士山の火山の岩の色へと変化していく様子が、一目によくわかります。このような境界の付近にある5合目付近の自然には、どのような見どころがあるのでしょうか。それぞれの魅力を解説していきます。

かつての登山修行の道を歩くことができる

■御中道~御庭・奥庭-富士スバルライン5合目周辺

山梨県側の富士登山の拠点として、最も多くの方が夏場の山頂登山の際に訪れる富士スバルライン5合目。ここを起点として、かつて富士登山を修行とした人が、3度山頂に登らないと歩くことが許されなかったといわれる富士山一周の修行の道、「御中道」の一部を歩くことができます。

かつて富士山信仰の人が歩いたこの道は、山頂の眺めも雄大で、夏には彩りに乏しい森林限界の風景を華やかに彩る、ハクサンシャクナゲが咲き誇る道を楽しむことができます。

ハクサンシャクナゲ(写真:筆者撮影)

御中道をたどりアクセスできる「御庭・奥庭」は、亀裂状に広がった火口が数キロにわたって列をなしている場所です。

御庭(写真:筆者撮影)
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