物事の習慣化は「続けようと思わぬほうがいい」訳 「意志が弱いから三日坊主になる」考えは捨てる

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独学で洋書に挑戦してみようと思ったものの、1ページ目でつまずいたという場合は、挑戦している文章の難易度に問題があるかもしれません。洋書を読むときだけ英語に向き合うのではなく、ふだん日本語で読んでいるニュースを英語にしてみるといった形で、簡単な英語と何度も触れるように日常を変えてみてもいいでしょう。

一度や二度の挑戦で諦めずに、行動がゼロにならないための方法や条件の組み合わせを探し続けているうちに、それが結果的に継続へと近づいていきます。継続自体を目標にしなくても、継続は生み出せるのです。

原則:習慣は継続すること自体を目標にするのではなく、行動がゼロになって元の日常に戻らないように「やめない」工夫が重要

簡単な行動に落とし込むのがコツ

心に決めた行動を、意志の力で毎日必ずやり遂げるといった考え方も捨ててしまいます。そもそも、意志の力を必要としないところまで自動化した行動が習慣です。

最初は実行するのが困難に思えた行動を、努力ややる気に依存しないところまで工夫することが、「やめない」習慣術といえるでしょう。そこで、習慣化したい行動は日常のなかに簡単に組み込めるところまで小さく、手間のかからない形に変えていきます。

これは時には発想の転換が必要です。運動の習慣がなかなか始められないようならば、運動そのものではなく、運動着に着替えるだけ、運動靴を履いてみるだけ、その姿で玄関から一歩出てみることだけ、といった行動に着目するのでもいいのです。

本を読むことが難しければ、読まずに本を開くだけ、1行読むだけ、といった行動を繰り返してみます。実際には、本を開くだけで読まずにすますことはあまりないでしょうから、結果的には読書が進むことにつながりますが、結果が同じならば行動のきっかけはなんでもよいのです。

このとき「読書をしなければいけない」といった意志の力を必要とする表現ではなく、「スマートフォンの代わりに本を開いてみる」といったように、同じ結果を生み出す、簡単な行動に落とし込むのがコツとなります。

習慣化する行動は、他の人にあきれられてしまうくらいに小さく、くだらないもので大丈夫です。どんなに小さくても「行動」を変えることが優先だからです。

原則:習慣の行動は、意志の力を必要としないところまで小さく、簡単なものに落とし込む
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