物事の習慣化は「続けようと思わぬほうがいい」訳 「意志が弱いから三日坊主になる」考えは捨てる

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結果的に大きな変化につながる小さな行動を始めることができたなら、次はその回数をコントロールしていきます。時間をなかなか調整できないので毎日運動が続けられないなら、例えば「週に2回は運動する」というところから始めて、それを3回にすることを可能にできないか調整してみます。

毎日学習をすることができないなら「1日平均1ページ」、「週に7ページ」問題集を進めるだけの時間とモチベーションを生み出せるかを試してみます。平均的な数値がゼロにならない、あるいは次第に伸びている状態を、習慣が定着していることと読み替えるのです。

小さな行動を繰り返してみる

無理なハードルを用意して、それを越えられるかどうかで成否を考えるのは避けましょう。

『ライフハック大全 プリンシプルズ』(角川新書)。書影をクリックするとアマゾンのサイトにジャンプします

例えば忙しい人が「毎日200 ページの読書」といった高いハードルを設定し、それが継続できないと落ち込むのはスタートからして間違っています。まずは時間を作るか、目標を下げるか、実行可能な行動に注目することから始めなければ高い目標には意味がないからです。

まずは、限られた時間をどこに生み出せるのかを調べつつ、「毎日2ページ」といった小さな行動を繰り返してみます。やがて読むスピードも、隙間の時間の使い方も上手になって、時間を盗むように読書時間を生み出す方法が見えてきます。それまでは、小さな行動の回数が安定するように意識します。

よく、新しい行動が習慣として定着するまで3週間ほどかかるといわれていますが、それは安定して行動を起こせるようになってからのことです。まずは1回の行動を起こせるようにしてから、その回数を増やす工夫を重ねていきましょう。

原則:習慣を定着させるには、継続そのものではなく行動を起こせた回数に注目する。回数を次第に増やすことで、行動にともなう成果も調整できるようになる
堀 正岳 Lifehacking.jp運営者

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ほり まさたけ / Masatake Hori

研究者・ブロガー。北極における気候変動を研究するかたわら、ライフハック、IT、文具などをテーマとしたブログ「Lifehacking.jp」を運営。知的生産、仕事術、ソーシャルメディアなどについて著書多数。理学博士。著書に『ライフハック大全―――人生と仕事を変える小さな習慣250』『知的生活の設計―――「10年後の自分」を支える83の戦略』『仕事と自分を変える「リスト」の魔法』(以上、KADOKAWA)がある。

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