4月21日放送の「めざまし8」(フジテレビ系)では、前述した内容に加えて「7月からはむしろマスク着用をやめたほうがいいんじゃないかと思っています」「季節性インフルエンザと同じ5類相当に分類され、新たな変異ウイルスが出なければ年内にも外せる」という専門家の声もピックアップ。その上でマスクを外す時期について視聴者投票を呼びかけ、7万1802票のうち「今すぐ」が12%、「まだ早い」が36%、「収束してから」が52%という結果を伝えました。
感情を抑えることが難しい2極構造
ここでは「いつ外すか」という時期をフィーチャーしているものの、それでも話題の方向性は「マスクをするか、しないか」の極端な2択。「どちらかを選ばなければいけない」という議論の構造は、両者の対立をうながしてショーアップするエンターテインメントの世界でよく見られる手法であり、シリアスなコロナ禍の対応策としてふさわしくありません。
しかも「脱マスク」議論は、自由や健康に対する価値観の個人差が大きいうえに、「長期化している」「命にかかわる人もいる」などの要因もあるため、対立が激しくなりやすいのが怖いところ。「個人の自由や健康にかかわることを2択で決める」という方法は、大小を問わず両者の分断を生んでしまうリスクが高いのです。
たとえば、21日に放送作家の鈴木おさむさんがコロナ感染の後遺症に悩まされていることを明かして、ネット上にさまざまな反響を集めました。「脱マスク」議論が行われている最中のニュースだったため、「やっぱり脱マスクは時期尚早」「マスクは関係ないし、自己責任だろう」などの声が交錯していたのです。
なかにはケンカをけしかけるようなコメントも散見されました。これがもしリアルな場での議論だったとしても、「する・しない」という真逆の選択肢だけに対立を招きやすく、感情を抑えて話し合いを続けることは難しいでしょう。
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