4つとは以下だ。
選択肢2:イールドカーブコントロールのターゲット期間を短期化(10年から5年、あるいは可能ならば、その中間に)する
選択肢3:イールドカーブコントロールにおけるターゲット10年物の変動許容幅を0.25%から0.5%程度に引き上げる
選択肢4:イールドカーブコントロールにおけるターゲットを10年物0%程度から、明示的に0.25%(変動許容幅プラスマイナス0.25%、つまり0%から0.5%)に引き上げる
「コールレートのマイナス金利解消」が先か
現時点で予想される困難の度合いは1から4に向けて高まると思われるが、DAY7の時点の状況によっては、異なる可能性がある。
個人的には、選択肢1を早く行ってもよいと考えている。つまり、DAY5よりも前に行うという選択肢もあると思う。しかし、これも状況次第である。明確な利上げであるから、観念的なインパクトはある。実際的なインパクトはゼロである。ほとんどマイナス金利は機能していないからだ。
しかし、異常な、例外的な金融政策という意味では、イールドカーブコントロールのほうが特異な政策であり、短期金利マイナスというのは、ゼロの先がマイナスだから、短期金利の引き下げが金融緩和の本質であることから考えると、もっとも正常な政策である。通常時の金融政策ということも可能である。実際、マイナス金利のほうがイールドカーブコントロールよりも先に導入されたので、外すのも後だ、という考え方もある。ただ実質的なインパクトという点ではゼロ(皆無)であるから、やはり、これからやるのが無難だろう。
一方、ターゲット期間の短期化と明示的な利上げ(選択肢2と4)の比較は難しい。個人的には、選択肢3は「利上げでない」、という言い逃れであり、日銀の揚げ足を取りたい人々から集中砲火を浴び、それが国際的なトレーダーの仕掛けの餌食になってしまい、なにより、日銀の信頼性を下げる可能性があるので、避けたほうが良いと思う。
これと同じ意味で、世界金融市場の情勢が「利上げ当然」という雰囲気であれば、選択肢4のほうがやりやすいと思う。「短期金利も長期金利もゼロでなくなった、しかし、イールドカーブはフラットではない」、ということが示されるので良いと思う。その後、ターゲットの短期化を図り、イールドカーブコントロールを最後には解消して、通常の短期金利ゼロ、普通のゼロ金利政策に戻す。これがDAY8だ。
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