例えば、毎日機械的にわずか8億円程度を必ず売却すると決める。相場が上がっても下がっても売る。少額なのでまったく影響はないだろう。
問題は、売却開始、というニュースがインパクトを持つ可能性があることだが、もし市場が大混乱したならば、DAY3に導入した先物買い入れによる市場の正常化を図る。売却には賛否があるだろうが、ETF保有額の縮小は必ず行わなければならないプロセスであり、時間をかける必要があるから、現在始めるのが妥当である。
そのショックが生じるとすれば、それをどうやって少しでも和らげることができるか、ということが焦点だ。先物の利用は一見トリッキーであるが、合理的であり、投機的に動いたり、株価維持政策として使われたりしなければ、妥当である。
超長期国債の買い入れを極限まで絞る
超長期債の買い入れ量を極限まで絞る。10年物の0.25%の上限以下に抑えるためには、超長期債も買い入れないとバランスが悪いし、そもそも0.25%に抑え込むのが難しくなるが、それでも、徹底して、10年物は10年物で直接コントロールする。
これにより、超長期の期間におけるイールド(利回り)については、市場で完全に投資家だけで決定することになり、市場の価格機能の回復を図る。「10年物国債の利回り0.25%」は何がなんでも死守する。それは日銀の金融政策に対するクレディビリティ、ひいては中央銀行の存在そのものに対するクレディビリティを確保することになる。これが、現在の日銀にもっとも重要なことである。
様子見をする。次のアクションは極めて難しく、かつ、柔軟に行わなければならないからだ。すなわち、いよいよ、なんらかの形で利上げと市場に受け止められるアクションを取ることになるからだ。
実際に利上げを開始するときの実施の仕方は、そのときの世界経済情勢、世界金融市場情勢、および日本の国債市場の情勢による。とりわけ、DAY5で行った、超長期債市場の完全復活がどのような影響をもたらしているか、注意深く観察する必要がある。DAY5の超長期債買い入れ実質停止の影響で、当初は超長期債価格は乱高下するだろうが、この市場が安定するまで、少し待つことが重要である。安定してからでないと、利上げには移れない。
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