金融緩和は継続でもETF買い終了、規模も縮小へ
デフレマインド脱却に成功し、デフレも解消した。よって、危機対応、緊急対応の金融政策から、通常の金融政策に移る。そう宣言する。
しかし、金融緩和は止めないし、緩和の縮小もしない。現状では、ロシアのウクライナ侵攻の影響による、景気後退懸念が残っている。したがって、これまでと同様に金融緩和は継続し、企業や家計にとって、同様の緩和的な状態を維持する。危機対応の特別な金融緩和、非常事態モードは解消するが、通常モードでの最大の金融緩和は行う、と説明する。
今行っている中でもっとも特殊な金融緩和政策は、株式ETFの買い入れである。これを止めても、長期金利には影響しないはずである。つまり、金融緩和姿勢は一切崩さずに、正常化の第一歩を踏み出せるのである。
しかし、株式市場の暴落、混乱を懸念する声があるだろう。これに対応するために、ETFの買い入れはやめるが、一時的な措置として、日経平均先物、TOPIX(東証株価指数)先物について、売買する選択肢を導入する。これはまさに、正常化の中での特殊な措置であり、移行期間に何か波乱が起きたときの「万が一の措置」である。日銀がヘッジファンド化するのでもないし、株価を買い支えるのでもない。混乱したときに、市場を正常化するためだけの緊急手段である。
国債保有は、金融政策そのものであるが、ETFを保有し続けることは金融政策とは無関係である。企業に対するガバナンス上の問題もある。よって、時間をかけてゆっくり、ETF保有額の縮小を行う。
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