「制御不能な円安」日本企業と家庭にもたらす負担 大規模な介入があっても下落は止まらない

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昨年12月に東京商工リサーチが7000企業を対象に実施した聞き取り調査によると、30%近くがこのような円安は経営にマイナスだと回答しており、プラスだとしたのは5%だけであった。円安がマイナスだとした回答者によると、平均107円が最適な円相場だとのことである。

財務省にできる持続的な効果を持つ対策はほとんどないのが現実だ。為替介入は、為替の動きがファンダメンタルズから大きく乖離したモメンタムを得ている場合のみ効果がある。

そして実際に、円安が進むペースがあるべき水準を大きく越しているということであれば、協調介入は少なくともしばらくの間はモメンタムを止めるか、場合によってはある程度逆転させることが可能になるかもしれない。

アメリカ政府が日本政府の対策を支援すればその可能性は高まる。しかし実際には、現在の円安は経済のファンダメンタルズを反映しており、こうした場合は、介入には一時的な効果しかない。

大規模介入ははっきり言って無意味

最近の大規模な介入について考えてみよう。2003年1月から2004年3月の間に、財務省は35兆円(2003年の円ドルレートで3200億ドル)という巨額の資金を投入した。これは15カ月分の経常黒字合計の1.7倍の額であった。財務省は円高を阻止しようとしていたのだ。しかし、介入後の円は介入開始時より9%高くなった。財務省は通貨投機家を儲けさせただけに終わったのである。

円の下落の背景にあるファンダメンタルな要因は、アメリカと他のほとんどの国がインフレ対策として金利を上げている一方、日本では日銀が金利を上げないことに固執しているという事実である。

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