マンションの「ペット禁止」築古物件にそびえる壁 新築はほぼ可能だが2000年以前は意外に飼えない

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そんなある日のこと、信子さんがゴミ捨てに行く際に、ふと掲示板を見るとペット飼育についての注意文が貼り出されていた。もしかして……と嫌な予感がする。あわてて管理員さんに聞いたところ、当マンションではペット飼育はできない。ただし「ペット飼育可」にしたい、という意見は多く、現在、管理組合の理事会で検討中だという。

いままで気にも留めなかったが、このマンションは「ペット飼育禁止」だったのだ。

正明さんにそのことを伝えたら、「ペット飼育可にする検討中なら、少し待ってみたら? その間にどんなペットにするかじっくり考えたらいいんじゃない。一度ペットショップに行ってみようよ」と言ってくれた。

まもなくして、管理組合から「ペット飼育に関するアンケート」が送られてきた。信子さんは、当然ながらペット飼育可「賛成」に〇印を付け、管理組合のポストに投函した。翌月には、理事長名でアンケート集計結果が示された。ペット飼育希望者が多く、「どちらでもいい」をあわせると80%を超えるため、次の総会に向けて理事会で検討するという。

それから6カ月ほど経った管理組合の通常総会の案内を見ると、ペット飼育可にするための「管理規約改正とペット飼育細則制定について」提案する議題があった。これでようやく子犬が飼える! と、とても嬉しかったのを覚えている。

ペット飼育をめぐって飛び出した激しい意見

いままでは賢治さんに任せきりで、マンションの総会にはあまり出たことがなかったが、今回は出席してみることにした。すると、ペット飼育の議案になった途端、激しい意見が飛び交ったのだ。

組合員1 「いままで通り、ペット飼育禁止がいいです。私の家族で重度のペットアレルギーを持つものがいるんです。わざわざ、ペット禁止だというから築古だけどこのマンションを購入したのに。お願いします。このままペット禁止がいいです」

組合員2 「私はペット飼育可に大賛成です。子供が飼いたいと言っており、子供の教育のためにも飼いたいです」

組合員3 「私は外部に居住しており、賃貸に出しているのでどちらでもいいですが、正直なところ、ペット飼育可のほうが賃料が高くなり資産価値が上がると思います」

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