元FBI捜査官が教える「子どものウソ」を見抜く技 「第三者話法」を使えば職場の不正も明らかに

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マリファナ使用に関するわが子の本心を知りたいのであれば、「第三者話法」を利用し、次のように訊くといい。

「職場の同僚から聞いたんだがね、息子さんが学校でマリファナを吸っていたら、バレて捕まったそうなんだ。おまえ、どう思う?」と尋ねた場合、「学校にマリファナもっていくなんて、バカじゃないの」「たかがマリファナだろ」「大したことじゃないよ。マリファナを合法にしてる州もたくさんあるんだから」などといった返事は聞きたくないはずだ。

あなたが聞きたいのは、「学校でマリファナを吸うなんて、絶対ダメだよ。ってか、どこでも吸っちゃいけないんだ」といった返事なのだから。このように、自分とは無関係の話題として――つまり第三者に関する世間話として─ー質問をされると、あなたのお子さんは本心を明かしやすくなる。話題の主は、自分ではなく、あくまでも他人なのだから。

「第三者話法」で、スパイの本心をさぐる

スパイという職業に就く者のなかには、最高値で買ってくれる相手に手持ちの情報を売ろうとする輩がいる。私はこれまで「アメリカ合衆国のために諜報活動を行ってもらいたい」と大勢の人間をリクルートしてきたが、彼らがアメリカにその後も忠誠心を持ち続けるのか、それとも母国への忠誠心を捨てきれずにいるのか、つねに注意を怠らなかった。

さらには、アメリカでも母国でもない国に寝返る危険もある。だが「第三国からもっと高額の報酬を提示されたら、君は寝返るかい?」などと尋ねたところで、「まさか!」という返答しか返ってこないのはわかっている。この返答は真実かもしれないし、ウソかもしれない。

そこで私は、自分がリクルートしたスパイがウソをつくチャンスを得る前に、真実を引き出すようにしている。その際に利用するのが「第三者話法」で、会話は次のように展開していく。

: 私の同僚にも、君のようにわれわれに協力してくれる友人がいてね。だが、こちらが支払う報酬が足りないと感じているようで、もう一緒に仕事をしたくないと言っているんだ。つまり、いちばん高い報酬を支払う相手に情報を渡すつもりなんだよ。君は、どう思うかい?
スパイ:仕事に見合うだけの報酬を得られないと思っているのなら、仕方ないでしょうね。
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