新商品炸裂!「ローソンいちご祭」の勝算 いちごイヤーの今年は「香り」で大勝負

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いちごで華やかにスタートしたローソンのスイーツシリーズ。今年は、「香り」が鈴木部長のテーマだという。

「おいしさだけではなく、別の要素を追求して行きたいと思っています。そう考えたところで、『ボタニカル』というキーワードがひっかかってきたんです。フルーツも植物の一つですが、自然の植物が持つ癒しの感覚をスイーツに取り入れて行きたいですね」(鈴木さん)。

ローソン商品本部の鈴木嘉之部長

近々発売予定のスイーツを見せてもらったところ、さまざまなフルーツがちりばめられ、宝石箱に例えたいほど。また「ある香り」が加えられているのも特徴だ。

スイーツだから当然甘い匂いがするのだが、その中にも「あれ?」と首を捻らせる香りがある。香りという食品において非常に重要な要素に意外性を取り入れ、商品に奥行きを加えるのが狙いだ。ちなみに鈴木部長によると、このスイーツを食べる体験は「目をつぶってクラシック音楽を聴いているよう」だという。

「引き算」から「掛け算」へ

鈴木部長に以前、取材した際には、「引き算戦略」について語ってくれた。その詳細は、過去の記事太らないデザート、ローソンの「引き算戦略」を参照していただきたいが、今回も、算数に例えて戦略を説明してくれた。今後は「掛け算戦略」でローソンの売り場を楽しく、驚きに満ちた場にしていくのが目標だという。

「私は、以前はスイーツとベーカリーの担当でしたが、お弁当などを含む4つの部門の担当になりました。いわば売り場全体に横串を刺す役割です。例えば、売れる商品を掛け合わせた商品を開発したり、今回のいちごシリーズのように、部門を超えたコレクションを展開するわけです。デパ地下みたいな季節感、多彩さを、コンビニで表現できればいいなと考えています」(鈴木さん)。

圓岡 志麻 フリーライター

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まるおか しま / Shima Maruoka

1996年東京都立大学人文学部史学科を卒業。トラック・物流業界誌出版社での記者5年を経てフリーに。得意分野は健康・美容、人物、企業取材など。最近では食関連の仕事が増える一方、世の多くの女性と共通の課題に立ち向かっては挫折する日々。contact:linkedin Shima Maruoka

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