次世代マツダ第1弾「CX-60」日本仕様ついに公開 電動化と多モデル化を目論むFRレイアウト採用

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また、インテリアについては、「日本の美意識である引き算の美学」に着目したという。

「書道の強く大胆な筆跡や枯山水の庭園の簡潔さから着想を得て、不要な要素を徹底的に削ぎ落とし、SUVとしての力強さとエレガンスを両立する『ノーブルタフネス』をテーマとしています。時代に流されない、自然で力強い骨格、ボディに周囲の風景を美しく映し出すことで、まるでアート作品のように周囲の環境と調和する、日本独自の自然感を意識して仕上げました」

インテリアはデザイン・質感双方のクオリティが見られる(写真:マツダ)

さらなるトピックとしては、ドライバーの発作・急病などの異常を検知し、事故の回避・事故の被害軽減を支援する、「ドライバー異常時対応システム(DEA)」が初採用されたこと。これは、ドライバー・モニタリングと連動し、ドライバーの異常を検知すると音とモニター表示による警告でドライバーの運転への復帰を促すシステムだ。

ドライバーが運転に復帰できない場合には、自動でハザードを点灯。ブレーキランプの点滅とホーンの音で周囲に異常を知らせ、高速道路や自動車専用道路で可能な限り路肩に寄せながら減速停止、一般道では同一車線内で減速停止をすることで、事故の回避や被害低減を支援する機能となっている。

ユーザーに合わせたドライビングポジションの調整支援を行う「ドライバー・パーソナライゼーション・システム」も、新たな装備だ。マツダの安全思想「MAZDA PROACTIVE SAFETY」に基づき、ドライバーだけではなく同乗するパートナーや家族も、安心・安全なドライブを楽しめるクルマを目指したと説明された。

価格等の発表はこれから

今回の発表では、CX-60のすべての性能や機能、スペックなどが明らかにされたわけではなく、価格も含めて不明瞭な部分も多い。今秋の発売に向け、少しずつ情報が公開されるのかもしれない。

世界中の自動車メーカーが一気に電気自動車への移行を決断する流れの中で、新型エンジンを開発してまで内燃機関の搭載を前提としたニューモデルを投入するという、逆行の姿勢を見せたマツダの決断。

これは、ある期間を我慢して資産を作り、それを土台に次のステップに上がるという「ビルディングブロック戦略」の一環としているが、そのワンクッションが消費者の目にどう映るのか。運転好きで内燃機関ファンでもある筆者としては、応援の気持ちも含め、期待したいところである。

先川 知香 モータージャーナリスト

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さきかわ ちか / Chika Sakikawa

初めて見たバイクレースでマシンをバンクさせながら膝を擦って進入していくコーナリングを自分もやってみたいと思ったのをきっかけに、マシンを操ることの面白さを知り、その面白さを多くの人に伝えるべくモータージャーナリストを志す。現在の対象は2輪から4輪までと幅広く、Web や紙媒体で執筆中。愛車は Kawasaki Z250 とGASGAS、TOYOTA86 MT 仕様。休日は愛車でのサーキット走行やトライアルにも挑戦中で、公私共に乗り物漬けの日々を送る。

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