それだけに福岡空港の混雑ぶりはひどい。出発地を定刻に出発したのに福岡空港上空付近での着陸待ちで到着が遅れ、折り返し便の出発も遅れていくケースは後を絶たない。特に深刻なのが離陸の順番待ち。定刻に出発できた場合でも誘導路に離陸待ちの飛行機が溢れ、ドアが閉まってから離陸するまで30分程度待つこともある。福岡-羽田便では、慢性的な遅れを見越してスケジュール的に、あえて1本早い便を利用するビジネスパーソンも多い。
第2滑走路構想は、この混雑の解消を狙う策だ。これに先駆けて混雑緩和策の1つとして並行誘導路の整備も先行してスタート。現在の第1・第2・第3ターミナルからなる国内線旅客ターミナルを再整備し、2019年春をメドに国内線全便を1つのターミナルとする計画も進められている。
第2滑走路オープンでも混雑する?
これまでよりも格段に使いやすい空港になることは間違いないが、仮に10年後に2本目の滑走路がオープンした場合でも、現行の滑走路との間隔が近く、滑走路2本を同時に使っての離着陸はできないことから、アジア系を中心に増加が見込まれる発着枠もすぐに満杯になることが想定される。
長期的に考えると、既に時間をかけて検討されてきてはいるが、訪日旅行客を中心に福岡市内からの高速道路が整備され24時間空港で発着枠に余裕がある近隣の北九州空港の活用を、もっと考えていく手はあるだろう。
現在、北九州空港と博多駅までは早朝・深夜時間帯に限り、スターフライヤーの乗り合いチャータータクシーが運行されているだけで、その他の時間帯はいったん小倉駅に出る必要がある。もし昼間に直行バスが運行されれば、渋滞しない前提なら約1時間で博多駅に到着できる。
例えば東京駅-茨城空港のバスのように、便の運航に合わせて博多駅-北九州空港間のバス運賃を搭乗者は片道500円(春秋航空の茨城~上海線搭乗者の多くが利用)で利用できるように整備し、福岡空港よりも着陸料や空港施設の使用料を安くすることで誘致することが可能になる。
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