低価格販売が強みの中国の電子商取引(EC)大手、拼多多(ピンドゥオドゥオ)は3月21日、2021年10~12月期の四半期決算と2021年の通期決算を発表した。10~12月期の売上高は272億3100万元(約5106億円)と前年同期比わずか2.6%の増加にとどまり、四半期ベースで上場後最低の成長率を記録した。
それとは対照的に、10~12月の純損益は過去最高の黒字を計上した。ストックオプションや投資損益などを控除・調整した非GAAP(アメリカ会計基準)ベースの純利益は84億4400万元(約1583億円)。なお、前年同期の純損益は1億8500万元(約35億円)の赤字だった。
同社の決算報告書によれば、増益の要因は各種費用の抑制に加え、取引先のサービス・プロバイダーの1社から臨時の利益還元があったためだという。これについて、あるアナリストが決算説明会でより具体的な情報開示を求めたが、会社側は正面から回答するのを避けた。
通期純損益は黒字化を達成
中国のモバイル・インターネットのユーザー数が飽和状態に近づくなか、拼多多のユーザー数の拡大ペースは減速が顕著になっている。2021年12月の月間アクティブユーザー数は7億3300万人に達したが、前年同月比の増加率はわずか1.9%だった。
2021年の通期決算に目を移すと、拼多多のプラットフォームを通じた商品販売の総額であるGMV(流通取引総額)は2兆4400億元(約45兆7495億円)と、前年比46%増加した。(手数料収入を主とする)売上高は前年比58%増の939億5000万元(約1兆7615億円)、非GAAPベースの純利益は138億3000万元(約2593億円)を計上し、通期の黒字化を達成した。
「現在の経営規模になると、高い成長率を長期にわたって維持するのは現実的ではない。わが社は2021年から成長戦略の見直しに着手し、(次の成長分野として)農業技術に注目するとともに、事業の長期的かつ質の高い成長を追求している。そのため、現時点の成長ペースが一定の影響を受けるのは避けられない」
拼多多の董事長兼CEO(会長兼最高経営責任者)を務める陳磊氏は決算説明会でそう釈明するとともに、次のような反省の弁を述べた。
「ユーザーのニーズの変化を理解し、それに対応していくうえで、拼多多にはまだ多くの改善すべき課題が残っている。その点では、わが社よりもライバル企業のほうがうまくやっている」
(財新記者:沈欣悦)
※原文の配信は3月22日
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