非鉄金属相場の高騰を追い風に、中国の国有鉱業大手、紫金鉱業の業績が急拡大している。同社が3月18日に発表した2021年の通期決算によれば、売上高は前年比31%増の2251億元(約4兆2106億円)、純利益は前年の2.4倍の157億元(約2936億円)に達し、そろって過去最高を更新した。
好業績の背景には主に2つの要因がある。第1に製品価格の上昇だ。紫金鉱業の説明によれば、2021年は非鉄金属の需給が世界的に逼迫し、市場価格が右肩上がりに上昇した。例えば、紫金鉱業の主力製品の1つである銅は、ロンドン金属取引所(LME)の現物相場で2021年5月に1トン当たり1万745ドル(約128万円)の過去最高値をつけた。
第2の要因は、相場上昇のタイミングで生産拡大に成功したことだ。2021年の産出量は銅鉱石が前年比29%増の58万4000トン、金鉱石が同17%増の47万5000トンを達成。そのほかにも鉛鉱石を前年比15%増の43万4000トン、銀鉱石を同3%増の309トン産出した。
パプアニューギニアの金山は操業停止
2021年には、紫金鉱業が権益を保有するアフリカ・コンゴ民主共和国のカモア・カクラ銅山、欧州・セルビアのクカル・ペキ銅金山、中国・チベット自治区の駆竜銅山という3カ所の大型鉱山が続々と操業を開始した。その結果、紫金鉱業は同年に銅鉱石の産出量を世界で最も大きく伸ばした企業の1社となった。
なかでも2021年5月に稼働したカモア・カクラ銅山は、紫金鉱業の銅の増産に大きく貢献した。カモア・カクラ銅山の産出量は(精錬後の)銅地金換算で4万1930トンに上り、2021年の増産量全体の3分の1を占めた。
銅の増産効果は、紫金鉱業の業績にはっきりと表れている。2021年の売上高に占める銅関連事業の割合は4分の1に達し、売上総利益の半分超の52.6%を稼ぎ出した。
とはいえ、すべての事業が順調なわけではない。紫金鉱業が50%の権益を持つパプアニューギニアのポルゲラ金山は、現地政府とのトラブルの影響で操業停止が続いている。
紫金鉱業は、パプアニューギニア関連の損失として2021年の決算に4億6400万元(約86億円)を計上。同社の説明によれば、トラブル解決に向けて今も現地政府と交渉中であり、2022年中の操業再開を目指しているという。
(財新記者:羅国平)
※原文の配信は3月19日
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