パプア最高裁「中国系金鉱採掘会社」の申立却下

上告審は継続。対立の裏で交渉継続探る動きも

パプアニューギニアのポルゲラ鉱山では、採掘権をめぐる政府と採掘会社の対立が深まっている(写真は採掘会社BNLのウェブサイトより)

世界有数の金山として知られるパプアニューギニアのポルゲラ鉱山。その採掘権をめぐるパプア政府と採掘会社の争議が混迷を深めている。9月29日、採掘会社のバリック・ニューギニア(BNL)は声明を出し、ポルゲラ鉱山の採掘権延長に関する同社の申し立てがパプアの最高裁判所に却下されたことを認めた。

ここまでの経緯は複雑だ。BNLは中国の金採掘大手の紫金鉱業集団とカナダのバリック・ゴールドの合弁企業で、紫金鉱業が50%を出資している。ポルゲラ鉱山の採掘権はBNLが95%、パプア政府および地権者が5%を所有し、2019年8月にいったん契約期限が切れた後も、パプア政府はBNLの採掘継続を認めていた。

ところが今年4月24日、パプア政府はBNLによる採掘権の延長申請を認めないと突如発表。さらに8月25日、ポルゲラ鉱山の採掘権を国営企業のクムル・ミネラルズ(KMHL)に与えた。これに対してBNLは、パプア政府の決定は違法かつ無効だとしてパプアの国家裁判所に提訴した。

「賠償責任はない」とパプア首相

しかし9月1日、国家裁判所はBNLの訴えを棄却。同社はそれを不服として最高裁に上告するとともに、国家裁判所の判決の執行停止を申し立てたが、最高裁は9月25日にこの申し立てを却下した。BNLは9月29日の声明の中で、今回の最高裁の決定は訴訟の終了を意味するものではなく、上告審はまだ継続中だと説明している。

一方、パプア政府のジェームズ・マラペ首相は9月28日、「BNLは国家裁判所の判決に従わなければならない」と発言した。ポルゲラ鉱山の採掘権の契約期限が切れてから1年間が経過した後は、パプア政府はいかなる費用負担も賠償責任も負わずに鉱山の資産を取り戻す権利があると、マラペ首相は主張している。

本記事は「財新」の提供記事です

双方の対立は修復不能に見えるが、BNLは交渉継続の可能性を捨てていない。

また、ロイター通信の報道によれば、パプア政府から採掘権を与えられたKMHLも鉱山の操業を再開するため、紫金鉱業とバリック・ゴールドを出資者兼鉱山運営者とする長期契約を模索しているという。

(財新記者:趙煊)
※原文の配信は9月30日

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