にわかに国産ブランドが台頭し始めた中国。この勢いは止まらない。
国産ブランドが育たない市場とみられてきた中国に異変が起きている。今年6月、中国トップのスポーツ用品メーカー、ANTA(安踏体育用品、福建省晋江市)が時価総額で独アディダスを超え、世界2位に躍り出た。
ANTAの株価はコロナ抑制後のスポーツブームや中国最大のネット通販セール「618商戦」で過去最高の売上高を記録したことなどで急上昇。時価総額は647億ドル(約7.1兆円)に達し、同626億ドル(約6.9兆円)のアディダスを上回った。スポーツ用品は米ナイキ、アディダスの2強が世界に君臨してきた市場だけに、中国企業の成長に驚きの声が上がった。
ANTAは1980年代、個人経営の靴工場として創業した。その後、運動靴からスポーツ衣料に進出し、海外ブランドの受託生産で技術力を蓄積。2000年代から自社ブランド育成に乗り出した。
しかし、海外ブランドの人気は圧倒的で、真っ向勝負では歯が立たない。そこで苦肉の策として大都市での勝負を避け、相対的に所得が低い地方の中小都市や農村部の若い世代をターゲットに、海外ブランドより安く、でもその割に高品質──という戦略を取った。
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