人類史に残る数々の出来事を予言してきたフランスの学者、エマニュエル・トッド氏。最近では米トランプ政権誕生や英国のEU(欧州連合)離脱などを的中させた。同氏から見た2050年の中国とは。
[ Point ]
・中国の強い愛国心は世界にとってリスク
・中国のリベラル化、西洋化は期待薄
・人口減少で中国の強硬さは軟化も
──中国についてどのような予測をお持ちですか。
この点について、今の私にははっきりとした見解がないというのが正直なところだ。中国は不確実な国であり、熟考が必要な国だ。もし確実な点が1つあるとすれば、中国が世界を支配するのはありえないということだろう。しかし、その他の点、例えば中国が勢力として達成できるレベルや内部の危機の可能性については不透明な部分が多い。
中国は非常に特殊な研究対象である。最大の理由はその規模の大きさにあるといえる。グローバル化という文脈で見た時、中国の生産年齢人口が増加するということは、世界規模で安価な労働力が豊富であることを意味していた。だからその傾向が逆転すると、負の影響もまた世界規模に広がるのは間違いないだろう。
この記事は有料会員限定です。
東洋経済オンライン有料会員にご登録いただくと、有料会員限定記事を含むすべての記事と、『週刊東洋経済』電子版をお読みいただけます。
- 有料会員限定記事を含むすべての記事が読める
- 『週刊東洋経済』電子版の最新号とバックナンバーが読み放題
- 有料会員限定メールマガジンをお届け
- 各種イベント・セミナーご優待