世界のさまざまな問題について、アジアの視点から積極的に発言するシンガポール国立大学のキショール・マブバニ名誉フェロー。国連での活動も経験するなど、大国に翻弄される国際情勢の裏側を知り尽くした人物だ。
[ Point ]
・米国は中国の力を過小評価している
・21世紀の戦場は経済。中国が有利に
・中国が2位の間に多国間ルール形成を
──トランプ政権に続きバイデン政権でも米中対立が増しています。
米中間の対立は惨事としか言いようがない。両国間の対立は今後さらに増す可能性がある。だが、完全に不必要と言いたい。いま私たちはアジアの繁栄を持続させなければならないし、新型コロナ禍に打ち勝たなければならない。また気候変動といった大きな問題もある。こういった課題の克服は、米中間の地政学的な争いよりも重要だ。米中は互いに歩み寄り協力するほうが賢明だと認識するべきだ。
ある国の力が強大になろうとすれば、1番の強国はその国を押し倒そうとする。(冷戦時に)米国はソ連に、1980年代の日本にも打ち勝った。同じように今は中国を押し倒そうとしている。しかし、中国はソ連や日本とは違う。4000年の歴史を持ち、人口は米国の4倍で、強い統率力に恵まれた国だ。これまでのライバルより、中国はさまざまな点で優勢だといえる。つまり、米国は中国の挑戦を過小評価している。
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